第28話

海の件の後、俺はとにかく勉強に励んだ。

もちろんVtuberとしての活動は一時的に休止したしやりたかったゲームも封印した。

それだけモチベが高かったのはやはり女子二人と海に行けるということが大きかったのだろう。


なんだかんだ多い時は1日10時間ぐらい勉強したような気がする。

たぶんこんなに勉強したのは人生で初めてだろう。


そして迎えたテスト初日、今日の科目は物理と古典と日本史。


古典・・・

正直古典は苦手だ。

なぜあんなに活用系が多いのかわからない。


英語だと動詞は主に3種類の活用しかないが、古典には未然形、連用形、終止形、連体形、已然形、命令形の計6種類存在する。なんなら動詞だけじゃなく、用言なら全部細かな活用があるという鬼仕様だ。


さらに英語は将来使う機会があるかも知れないが、古典なんて使う機会は皆無だろう。


まあ今回はテスト範囲丸覚えしたからおそらくそこそこの点数は取れていると思うのだが・・・


しかし物理と日本史はかなり良いところまでいったと思う。


特に日本史、あれは神だったな。

範囲は平安時代の終わりの方全部だったがあの辺りは自分の得意なところだったので余裕だった。


1日目の試験が終了した後、俺はすぐに家に帰ろうとしたのだが、なぜか天舞音と花園先生が俺の教室の前に立っていたので仕方なく足を止めた


「どうしたんだ、二人そろって?」


「お、お兄ちゃん!今から私と花園先輩の3人で勉強しない?」


「えー、テスト期間中だろ、さすがに午後はガチらないと明日ヤバいぞ・・・」


「いやでもそれは私たちも一緒なので!!」


「どうせ3人もいたらサボるだろ・・・」


「大丈夫です!・・・たぶん。」


『たぶん』ってなんだよ『たぶん』って・・・・


「とにかく、お兄ちゃんは一人で勉強できるかもしれないけど私たちは一人じゃ勉強できないの!!」


あー、だめだこりゃ。

わかったって言うまで聞かないやつだ。


「わかったよ。てかどこで勉強するんだ?」


「家!!」


「え?!」

なんでよりにもよって俺ん家なんだ。

普通こんな時期だったら図書館がセオリーだろうに・・・


「結局一番自宅が落ち着くということで・・・」


「いや、あなたの家じゃないですから。俺と天舞音の家です!そんな自宅が落ち着くならあなたの家で勉強すれば良いじゃないですか!」


「いや、違うんです。その、なんというか・・・・大和川君の部屋だとなんだか落ち着いたので、みんなで勉強する分には最適だろうと思いまして・・・」


「はいはい、わかりました。」


「あ、お兄ちゃん!お昼どうする?」


「あーそうか、お昼ご飯か・・・帰り道にコンビニで買うか?」


「じゃあそうしよっかな!」


「私もそうします!」


その後俺たちはコンビニに寄ったのだが・・・


「なあ天舞音、そのポテチどうするつもりだ?」


「それは~その、栄養補給?」


「へ~、じゃあ花園先生、その大量のお菓子はなんですか?」


「え、栄養補給です。」


なんだろう、悪い予感しかしない。

なんなら俺は二人がこっそりiT〇nesカード買ってたの見たからな。

しかもバリアブルのやつ・・・・・


だめだこりゃ・・・


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