第46話 正気のような毒


もう幼い頃には帰れない 


帰りたくても帰れない 


空っぽの身体をこの身体を粉々にする


帰りたくても帰れない 


才能なしの一文無し 


嗚呼ここは学校 


しがらみだらけの戦場 


校門に僕のかけらが置いてある 


友人の声はナイフだ




この首を苛んで校門の前には


僕という名の死者の影がさまよう


いつからだろう 


本当にいつからだろう


幼い頃は世界が明るく華やかだったのにそうだ


虚構と化した掟には逆らえず


凄まじい虚無は僕を


突き抜けて死んでしまえばいいのに


この世界を破壊して大地には


正気のような凶悪な毒


如何わしい毒だけでは片付けられない



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