少年哀歌 10代作品集 希死念慮にオマージュして。

詩歩子

少年哀歌、17歳はどこにある?

第1話 星辰が瞬く砂漠の声


涙を集めて幾千年 

僕の歌を聞かせてくれ 

ここは生き地獄 

ここに僕の居場所はなく

涙が大粒となって風を消していく 

僕の涙 

涙と崩れた人生 

僕は十四歳で止まったまま 

あの日のことを覚えている 

酔いしれ喚きもう一度 

寒い冬には紅茶をどうぞ

無糖の紅茶を飲み干して次の夏が来る 

終わってしまった僕の心 

不吉で壊れやすい時期 

案内板に右か左かを尋ねられても僕は教えずに立ち去っていく

暗い森へ逃げ込むと哀れな迷子は狼に誘われ変わり果てた姿を見る 

僕の顔が溶けていく 

ラビリンスの奥へと迷い込み 

神罰を喰らって星辰が輝く砂漠の声 

追われた迷子が旅に行く

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