第6話三嶋屋事件

「おかしら、手はずは整いました」

「大丈夫だろうな?」

「ぬかりはありやせん。万事、ご安心を」

「時代劇はぬかってばっかりじゃねえか!」

「ま、火盗の伊藤様が現れ、我らを逃がしてくれやす」


三嶋屋


盗賊は、蔵の鍵をぶち壊し金品を次々と盗み出した。

ざっと、千両。

「あるところには、あるもんだぜ」

「そうでございやすな。お頭」

「さっさと火を放ち、ずらかるぞ」

あざやかな、手さばきでその場を去ろうとした。


「御用だ、御用だ!」


「お頭、火付盗賊改方の伊藤畿内いとうきない殿でごわす」

「ごわすって、お前なぁ、出身どこだ?」

「薩摩です」


「我ら、南町奉行所である。神妙にいたせ」

そこへ、火付盗賊改方の伊藤が現れる。

「南町奉行所がなんだ。この件、火付盗賊改方の仕事である。帰りやがれ!」


「何だと~!伊藤畿内!」

「ワシを呼び捨てにするとはの。忠相ただすけ


そこへ、あの男が現れた。


「火付盗賊改方、伊藤畿内。余の顔を見忘れたか!」


「何っ!余だと~」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る