第2話貧乏旗本四男、鈴木珍之助

吉宗は城下町の町火消、新門辰五郎の家に向かった。

そこに、辰五郎の奥さんが忙しなく働いていた。

「あっ、珍さん」

「よっ、毎晩ヤッてっか?辰五郎はどこだ」

「はす向かいのうどん屋で皆と飲んでますよ。昨夜、また火事がありましてね。朝方まで仕事だったんですよ。いつものうどん屋タヌキです」

「何か、手伝おうか?」

「いいえ、珍さん。布団を敷いて終わりです。一緒にタヌキに行きましょう」

「そうだな」

2人はタヌキへ向かった。


「よっ、辰五郎」

「あっ、うえ、珍さん。どうしてここが」

「私が珍さんを案内したの。皆、布団敷いてあるわよ」

「悪いねぇ。姐さん。あっしらは、一足早くけぇります。旦那。」

「今回は皆頑張ったな。早く寝な」

「珍さん、最近、付け火が多くて」

「昨夜の火事も付け火か?」

「ま、一杯」

辰五郎は珍之助のおちょこに酒を注いだ。

グイッと飲み干し、天婦羅うどんを注文した。


辰五郎の妻が帰ると、

「上様。こりゃ、何かしら後ろで手びいた野郎の仕業ですぜ」

「うちの、御庭番に探らせよう」

「じゃ、上様。しこたま飲んでくだせぇ。裏で大きな力のある者の仕業に間違いねえ」

珍之助は天婦羅うどんを食べると、辰五郎と別れた。辰五郎も眠たいはずだ。

「隼人、あざみ、仕事だ。心当たりある火付けを探ってくれ」

「はっ」

「はっ」


その足で、北町奉行所へ向かった。

「オッス、忠相ただすけ、ヤッてっか?」

「何でしょう。上様」

「昨夜の火事の事だが……」

「あれは、付け火ですね」

「知ってたか」

「今、下手人を追っております。それが難しい問題がありまして」

「なになに~、教えて~」

「火付盗賊改方が背後で動いているようで」

「火盗がか?」

「はい、我々もどこまで手を伸ばしていいのか?」

「よし、ワシが手を貸そう」

吉宗は立った。


ぶりっ!


「はっ、しまった!」

「如何なされました、上様」

「ちょっと、実が出ちゃった」

「上様~、何歳ですか?」

「43歳」

「帰って、シャワー浴びて下さい」

「うん、そうする。うんこだけに」

吉宗は夕方、城へ戻った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る