なぞなぞ

 後輩がなぞなぞの本を買ってきた。久しぶりになぞなぞをして頭の体操をしましょう! なんて言ってはいるが、多分自分がやりたいだけだろう。

 一問一答を交互に繰り返す。簡単だと思っていたけど、案外難しい問題がたくさんあって面白い。だからか、だんだんと本の問題ページを開きながら、二人で考えるようになった。

「これどういうこと?」

「文章全部見ろってヒントにあるな」

「見てるけどォ!?」

「絶対こんなに難しいはずがないんだよ」

「この問題幼稚園生対象らしいですよ」

「俺たちが如何に頭が硬いのか思い知らされてる気がする」

 ああでもない、こうじゃない? 多分違う。そう会話してみても、どうしてもある一問が解けない。答えを見てスッキリさせようということにして、答えのあるページを開く。そこに書いてある答えと解説を読んで、「めちゃくちゃ簡単だった……」と二人で肩を落とす。

「やっぱり考えすぎは良くないんですね」

「次はもっと気楽に考えよう」

「その考えがもう気楽じゃなくないですか?」

「気楽ってどうしたらなれるんだ」

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