先輩と後輩

映画

　映画観に先輩と二人で行くことになった。しかし、私達が観たいと話していた映画はちょうど昨日公開が終了したらしい。仕方がないので、せめて映画を観た気になろうと話しながらポップコーンを二つ、Mサイズで購入した。そしてそのまま先輩の家に向かって、サブスクからテキトーにホラー映画を出し、電気を消して二人でソファに並んで鑑賞することに。

　観始めて分かったことだけど、多分先輩は怖いものが苦手なんだと思う。いつ主人公が襲われるのかずっと警戒してるし。

　好奇心で「わあ！」と大声を出したら、一瞬肩がはねた後、思い切り叩かれた。痛い。

「いきなり大声出すやつがいるか！」

　心臓に悪いだろ、と言って溜息をつく先輩。

　緊張の糸解けて良かったじゃないですか。