第8話 冒険者の街ダビデ
その晩に女豹グループはトムの家に泊まり、ミンクが、ソンダイたちがギルドにトムは目を離した隙に魔獣に襲われて助けようとしたが間に合わず殺されたと報告したと言い。
トムが本当の事を話すとバンクが怒って。
「アイツら自分たちが逃げる為にトムを魔獣のエサにしたのか。許せねえなー」
トムはソンダイたちを最初は憎んだが、結果的に魔女ジョエルに出会いて今の自分がいるので今は感謝している位なのだ。
だが勇者候補にあるまじき行為なのであんな冒険者が勇者になるのは許せないので、スキルを移し獲り絶対に勇者にはさせないつもりなのだ。
トムは、女豹グループを信用出来るのでダンジョンの管理者と出会い自分のスキルの本当の意味を教えられて、ダンジョンの中で魔獣や魔物からスキルを移し獲り世界中の言葉や動植物との会話が出来るようになった事を話したのです。
ジョエルが魔女だった事とそのジョエルから移し獲ったスキルの事は話さなかったのです。
3人はこの御伽噺のような事を信じられないので、ジエルに本来の姿になって貰うと3人は腰を抜かしてソファに倒れ込み、トムの話を信じたのです。
次の日にトムと村を歩いた3人は、トムが動物や魔獣、魔物と意思の疎通をして話すのを見た3人はやっとトムの言った事が本当だったと信用したのであった。
ミンクは村を歩いて見て回ると、人間はトムしかいなく住民たちの中に動物は少ないが、魔獣、魔物、兎獣人、鳥人、人化した植物など全然違う種族が仲良く協力して生きている姿に驚き信じられなかった。
だが、トムが動植物の言葉が話せるので皆がトムを慕い従がっているのが分かったのだ。
ミンクは此の大陸には多民族の国もあるが魔獣や魔物のいる国は無く、この村は今までとまるで違う世界だと感じた。
悪意のある者はいなく全員が助け合って生きている。
ミンクはロックとバンクと話し合い以前と今のトムは同一人物なのにまるで別人みたい変わっていて、どうして変わったのか理由は聞いたが信じられずにトムの謎を知る為に当分の間一緒に行動する事にしたのです。
ミンクたち3人の冒険者グループ女豹がフォーク村に来てから1週間後に冒険者の街ダビデに行く事を告げると3人も一緒に帰ると言い。
ラガーとジエルは人間の姿に人化してバースは身体縮小のスキルで小鳥の姿でトムの肩に乗りダビデ街に向かったのだ。
ラガーが千里眼で街のある方向と前方に危険な魔獣がいないか探知しながら進むので森の中で迷う事も無く進む事が出来るのです。
途中にミンクたち3人を襲った凶悪なビックベアーが出て、ジェルが毒液を吹きかけるとビックベアーの身体が魔石を残して溶けてしまい、女豹グループの3人が余りの事に驚きバンクが
「すげー! 見た目は絶世の美女なのに・・・・・・俺はジエルさんには絶対に逆らわないよ」
その後もゴブリン、狼、オーガなどに襲われたが全部ジエルが毒液で倒してしまいミンクが。
「同じゴブリンとオーガでも人間と同じでブソンさんとドガさんみたいに良い魔物もいて善人と悪人がいるのね」
トムはミンクさんの言葉を聞いてその通りだと思い人間、魔物、魔獣、エルフ族、ドワーフ族、獣人族などこの世界に色んな種族がいるが、偏見で、種族自体を善悪と決めるのでは無く個人で判断すべきだと思ったのである。
深淵の森は広く1日では森を出られずその晩は、森の中で野営をして次の日の朝早く歩き出して森を抜けて草原を歩いているとラガーが。
「ん?前方に魔獣がおるから気を付けるのじゃ」
用心して進むと、3メータはある大きな魔獣で長い牙を持った猪魔獣でミンクが得意の弓矢を放ったが弾かれてしまい、トムが剣を抜いて戦おうとした時に。
「オッホホ・・・・私が旦那様を助けてあげるわ」
空から降りて来たのは何とあの魔族の少女サリーだったのだ。
サリーを見たラガーが頭を抱えて。
「なんでお前が出てくるのじゃー!」
「あら! ダーリンに付いて来るのは当たり前でしょう。おっと、あいつを忘れていた」
サリーが空から勢いをつけて足で蹴ると猪魔獣は50メータくらい吹き飛ばされて首を折られて泡を吹いて倒れたのだ。
サリーが軽く蹴ったように見えたのに猪魔獣が50メータくらい吹き飛ばされたのには驚いていると。
「ねえ~、見た、私し強いでしょう。ダーリン守って、あ、げ、る、ウッフフ」
トムは思わず絶叫して。
「うるさーい! どっかに行け~」
「もう、ダーリンは素直じゃないのねー。バイバイ又ね~」
サリーの姿がフッと消えていなくなり、皆は呆然としたのだ。
ラガーが正気に戻り。
「あの子は、そんなに悪い子ではないみたいじゃのう」
ジエルも何が可笑しいのか笑いながら。
「クスクス、本当ね、照れ屋で強がりみたいね」
女豹グループの3人は突然現れて消えた、初めて見た魔人に驚愕して腰を抜かして座り込んでいたのです。
そんな一幕もあったが、昼前にダビデ街に着き街の入り口の門に行くと警備兵がトムを見て信じられない顔で。
「トムか? 本当にトムか! 死んだはずなのに、生きていたのか?」
トムは自分では知らないがダビデ街では別の意味で有名人だった。
此の世界には怪我などの後遺症で耳が聞こえない人はいるが言葉は話せた。
トムのように生まれつき耳が聞こえなく話せない身体障害者は珍しく街の殆どの人はトムの事を知っていたのです。
トムは女豹グループの3人と相談してダンジョンに生き埋めになり奇跡的に助かり、そのショックのせいか耳が聞こえて話す事が出来るようになった事にした、だから門番に。
「ダンジョンに生き埋めになりましたが奇跡的に助かりました」
「ええー! 言葉も話せるのか?」
「はい、多分その時のショックのせいだと思いますが・・・・・・・・」
「そうか、良かったな。孤児院の院長がついこの間亡くなったよ、トムの事を心配していたから墓参りして無事を報告しな」
「ええー! そんなー! ・・・・・・分かりました、教えてくれてありがとうございます。墓参りには必ず行きます」
園長は大分、年だったが、自分のせいで心労がたまり死期を早めたのかも知れないと思いトムは悲しく涙が零れたのだ。
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