第35話 大事な話
溶ける前にアイスを冷凍庫にしまう。
月見大福にpimoにアイスの種にetc……
いつもなら今すぐ食べたい! ってなるけど、今日は頭が痛いせいでアイスを食べる気になれない。
しばらくはポーションを飲みたいとは思えないよ……
さっき私が言った通り、冷凍庫に全部は入り切らなかったので、残りのアイスは【アイテムポーチ】に仕舞った。
アイスのせいで【アイテムポーチ】の重さがおかしいことになっている。
これじゃダンジョンに持っていくのはちょっと無理だね。
鈍器としてなら持っていけるかも?
それにしても多かった。
私が引くレベルで多かった。
これだけあれば半年は持ちそうだ。
アイスを仕舞い終えた私とことりさんは椅子に座った。
ものすごく大事な会議が今から始まる。
そんな感じがする。
ことりさんの隣の椅子で寝ている涼っちまでとは言わないけど、私的にはもう少しリラックスして話したいな……
そんなことを思いながらことりさんが話をするのを待つ。
けど、ことりさんは無言のまま下を向いている。
「ことりさん、大事な話って何?」
ことりさんから言い出しにくそうな感じだったから私の方から聞いてみることにした。
私が聞いてから少し間が空いてことりさんが話し始めた。
「えーと、ことねさんも髪の色で気づいているとは思うんですけど、私生まれつき呪われているんです。ことねさんたちはそんな私なんかとどうして普通に接してくれるんですか……?」
ことりさんが呪われているなんて、私全然気づいてなかったよ……
「髪の色は少し気になってはいたけど、まさか呪いだとは思ってなかったよ……」
呪いのせいで髪の色が
だからいつもフードで隠していたんだ。
けど、別に隠す必要なんてない気がするんだけど……
「ずっと隠していてごめんなさい!」
「大事な話って言ってたからパーティ組むのをやめたいとかそういうのだと思っていたけど、違っていたから良かったよ。これからもよろしくね!」
「よろしく――えっ……!? 呪いですよ!? そんなっ、私なんかが一緒にいてもいいんですか……?」
ことりさんは椅子から立ち上がってそう言った。
「逆にどうしてだめなの?」
「ほかりんストーップ!!」
いつの間にか起きていた涼っちが話に入ってきた。
「ごめんねことりん。ほかりんは世間一般で言われている呪いのことについてよく知らないんだー」
「私だって呪いのことくらいは知っているよ?」
ダンジョンの出現と同時に呪いという存在が明らかになった。
その呪いという存在は今のところ大きく3つに分けられている。
1つ目はステータスが下がったりするデバフのこと。
こういう
2つ目は装備に付与される呪いのこと。
外せなくなる呪いだったり、何回使ったら壊れるとかだったり、内容はさまざま。
讓渡不可の装備も一応呪い扱いされている。
この2つの呪いはいつも見ているアプリに書いてあった。
3つ目はことりさんのやつで生まれつきの呪いのこと。
この呪いは解除方法はも呪いによって違うし、効果も他の呪いよりも強力で命に関わるものもある。
けど、別に呪いは
これを全て涼っちに説明する。
「ほかりんが言っていることは全部正しいよ。だけど、世間的には間違ってるんだー」
「正しいのに間違ってるってどういうこと……?」
「小学校の時に生まれつきの呪いは
「呪いは
呪いが
「ほかりんの言ってた通り呪いは今までに
「そうです……だから私は……」
ことりんの頬には涙が流れている。
「でももう大丈夫だよ! 私たちはそんなこと全く気にしていないからねー」
「そうだよことりさん。だからこれからも一緒にダンジョンに行こうね!」
「ありが……っ……うっ…………」
「ことりさん泣きすぎだよ…………………………」
★
「――りん、ほかりん!!」
「あれ、私……? どうしてベッドに……?」
さっきまでことりさんの話を聞いていたはず……
「急に倒れたからびっくりしたよ! 体調が悪いんだったら無理しないようにね……」
「ほんとですよ。電話越しでドンッ! って音が聞こえた時はびっくりしました。でも、ことねさんが無事で良かったです」
私気絶してたんだ……
みんながいなかったら今頃どうなっていたか。
やっぱりポーションの飲みすぎは良くないね……
「2人ともありがと! これからもよろしくね!」
「どうしたの急に改まっちゃって〜♪」
「こちらこそよろしくお願いします!!」
「あっ、そうだほかりん、私今日も泊まって行くけどいいよね? はいかyesで答えて」
何この一択クイズ。
「はーい……」
「わ、私も泊まってことねさんの看病します!!
その言い方はずるい。
いつから涼っちみたいになってしまったんだ……
「2人ともしょうがないなー……」
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