おすすめの本の読書感想文。

音雪香林(旧名:雪の香り。)

第1話 『女装王子の深遠にして優雅なたくらみ』(富士見L文庫)

こんにちは。

雪の香り。です。


本日はこの間読んだ『女装王子の深遠にして優雅なたくらみ』という本の感想を書きたいと思います。


この小説はかなり面白かったです!

タイトルにもある女装王子が主人公なのですが、かなりぶっとんだ性格で周囲を振り回していて、それがとてもよかった。

いや、現実にいたらそうとう迷惑でお近づきになりたくない人ではあるのですが、物語になると魅力的なのが不思議ですね。


この主人公、自分自身面白がって女装しているのですが、たんなる趣味でやっているわけではなくて、第二子だったためお父さんであった王様が兄と王位争いして国が荒れないようにと考えて「姫」として育てることにしたという経緯があるのですね。


で、そのお父さんが突然死んでしまって、兄が国王になった。その時点で「男です」と明かせばいいのに、主人公は「最高に面白い舞台を用意して、そこで明かそう」と思っているうちにどんどん日が過ぎてしまって現在に至る。ということです。


なんと、実のお兄さんである国王すら主人公が本当は男だと知らない。

主人公のぶっとんだ性格も、おしとやかな姫の外面が完璧なため知らない。


私はお兄さんが「お前の将来が不安だから婿選びの場を設けたいと思う」ととても誠実な感じで切り出したときに主人公が「これは待ちに待った面白い舞台がやってきたぜ」というわくわくのあまり噴き出したあたりで「ああ、この主人公人でなしだな」と思いましたね。


それと同時に、「お兄さんこんなに主人公のこと『妹』として可愛がってるのに、本性が愉快犯な男だって知ったらどんなにショックを受けるだろう」と心を痛めましたね。


で、その婿選びの場がとんでもない事件の場となるのですが、それを阻止するために来たオレスという貴公子が生真面目で主人公と正反対。しかも終盤に明かされた秘密が主人公の興奮を頂点に押し上げているので、「すげぇ盛り上がりを作れる作者すごい」と思いました。


とにかくキャラクターが細部まで魅力的だし、展開の読めないストーリーもハラハラドキドキしていい感じ。


読んで損はないです。

この小説はシリーズで、二巻目も読んでるんですが、二巻目も面白かったですね。新キャラがまたぶっとんでて、私はよくキャラクターの弱さを指摘されるので、こういったキャラクターをどんどん生みだせる作者さまがうらやましいです。


でもあとがきで二巻目で終わりだって書かれてたので残念です。

とにかくこの小説は私の推し!

みなさん是非読んでみてください!



おわり

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