第4話 私は、リース ご飯ありがとぅ

「もう動けるようになったのか、魔力の回復スピードもかなり早く設定したが失敗じゃったな…」


この神様本当に眺めるだけだった、しかもニッコニコでかなり気持ち悪かった…


「あ、そうじゃ。

現世に君が住んでたって設定の家用意したから場所は頭に入れとくぞ。」


「うん…わかった……」


「鍵はポストに入っとる。」


ごめんね神様。

俺誤解してた、貴方とてもいい人だよ、すっかり忘れてたけど俺の家はもう使えないもんね。

いやぁ、これから先野宿することになる所だった。


「これで…生活、できる!」


「ほっほっほ、そうじゃな!」

(まぁ、ほとんど使う事はないだろうがの。)


「そろそろ、戻る…」


「そうかのぉ、

もっと一緒に過ごしたいなぁ」チラ


本当にこの癖?性格?どうにかならないかなぁ、いい神様なんだろうけどちょっとね。


「かえ……る…」


「えー残念だな、でもしょうがないか。」



〜現世〜


「あ、起きた。」


目を覚ましたら、すぐ近くに迷惑かけてしまった美人さんの顔が!


「ヒィ…」


「あぁ大丈夫だよ、何もしないから落ち着いてね。」


前の時よりは恐怖はマシだ。

これが魔力パワーなのか?!


「う、うん。」


「私は白仁琴音、琴音って呼んでね。」


「こと、ね……」


「そうだよ、私にもお名前教えて欲しいなー?」


琴音さんめっちゃグイグイくる!

あ、エルフボディが恐怖感じてる。


「な、泣いて、急すぎたよね?ごめんね……」


「何してるんですか姉さん、朝食食べましょう結構遅くなっちゃいましたけど。」


クールな感じの美人さんだ。

琴音さんのことを姉さんって呼んでたし、妹さんかな。


「私は白仁朱音しらにあかねと言います、貴方を連れてきた誘拐犯の妹です、

お腹空いてるでしょうし、今はご飯食べませんか?食べ終わった後お家に帰してあげるので。」


「そうだね!

一緒に食べよ、何を作ってくれたの?」


「ハムサンドと卵サンドを作りました。

卵とかアレルギー大丈夫ですか?」


アレルギーってどうなんだろ。


(何も問題ないぞ!)


なんか聞こえた、もしかして神様ずっと見てるの?

あの神様もしかしたら暇なのかもしれない、

時間ないとか言ってなかった?侵略はどうなったの?


「大丈夫……」


「早く食べよう!朱音ちゃんの料理は美味しいんだよ!」


いい匂い…凄いとてもオシャレ!

モーニングのセットで500円は取れそう!


「手を合わせてね?いただきます。」


「いただきます。」


「いただ……きま…す…」


まずは卵サンドから、早速ひと口。


めっちゃ美味しいやないかい!(口調崩壊)



白仁朱音しらにあかね


私はお姉ちゃんが大好きであるラブではなくライクの方だけど…


今日起きた時、お母さんから昨日の夜お姉ちゃんから怪しい連絡が来て、もしかしたら一線を超えてるかもしれないし、ちょっと見てきてと言われた。


その瞬間、私は怒りに震えたよね。


だってあのお姉ちゃんがだよ?!

あのアホで無意識に男達を惚れさせる天才だから、何処ぞの変態に騙されてるんじゃないかと!

もう男の方殺す覚悟で来たのにさ、


「はぁはぁ可愛い……可愛いねぇ…」


まさかそういう意味誘拐の一線を超えたとは思わなかったよね。

でもわかる気がする、だってこの子とても可愛い私の作ったサンドイッチ美味しそうに食べてくれてる!

それはそれとして、


「姉さん気持ち悪いです。」


「え?!そんな……」


「後でどんな顔してたか録画して見せてあげます。」


はぁ…

憂鬱だ、まさか身内から誘拐犯が出るなんて…

この子の家族の温情に期待するしかないかな、

でもどうして公園で寝てたんだろこの子。


『次のニュースです。

昨日午後6時頃新たに異界門が出現しました、出現した地域では今でも救助活動が行われています。

本日は異界門の研究に携わる門 大門かど だいもんさんに来ていただいております。』


『よろしくお願いします。』


『日本を含め、5ヶ所に新しい門が出現したとのことですがどのような原因が考えられるんでしょうか?』


『はい、まず前提として新しく出現した門は今まで存在していた門とは全くの別物かと思われます。』


『別物ですか?』


『はい。

こちらの写真をご覧ください。門の扉に付いている針が一つしかない時計です、これは従来の門にはついていませんでした、門の色も金色という今までは確認されていない色です。』


『となると、出現した門は一体なんなのでしょうか?』


『針は一定のペースで進んでいます、現在は2と3の間あたりですので4日後あたりに針が一周し門が開くのではと言われています。

それと少し話が変わるのですが、現在全ての門から怪物と呼ばれている生命体が出現するという異常が発生しているのは皆さんご存知のことかと思います。

私の予測ではあるのですが、新たに出現した門からも何かしらの生命体が出現する可能性が高いと思います。』



そういえば、新しく出現した門の近くが姉さんの大学とバイト先だったような。


「姉さんバイトは休むんですか?」


「うーん、大学はしばらく休みになるらしいけどバイトはなぁ…」


「できれば休んでください、捕まる予定なので必要かわかりませんが。」


「辛辣!

でも捕まらなかったら4日後開くって言われてるし、4日後は流石に休もうかな。」


姉さんそんなに軽く考えて……


「あの…」


あ、食べ終わったみたい少し口周りが汚れてる。


「口周り汚れてますよ、

拭きますから動かないでください。」


姉さんからの視線が凄いですが無視しましょう

頬っぺぷにぷに……柔らか!


「朱音ちゃん、羨ましぃ。」


なんか聞こえましたね。

捕まったほうがいい説が出てきました。


「わ、私は…」


「どうしました?」


この子緊張してるだけじゃない気がする何かはわからないけど、


「私、リース…ご飯、美味し、かった……」


リースちゃんって言うんですね。

外国の子なのかな?


「それはよかったです。」


「ありがとぅ……」


やばい、笑顔可愛すぎる!


姉さんの視線もやばい。

なんで先に懐かれてるのって聞こえて来そう、まぁ姉さんは第一印象がダメだったんじゃないですかね?

でもこの調子で懐いてくれて、親御さんに説明してもらえれば姉さん捕まらなくてすむかも、


「おうち、かえる…」


うーん、やっぱりだめそうですかね。

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