チート能力は隠して左遷~転生貴族はまったり領地経営したいのです~

伊織悠希

1・2話ノーストレスバージョン(一話より読んでほしい!)

「はぁぁ、めんどくさ」

 僕はため息交じりにキーボードを打つ。

 上司ハゲクソジジイは後輩を飲み会に誘ったと思えば、僕に仕事を押し付けてきて、ちゃんと仕事はやるのだよ、なんて言ってくる。

 うぜぇうぜぇ、会社辞めたろうか?まぁ、そんなこと言いだせるような気力もなく、僕はパソコンと残業でにらめっこ中。


「終わったー!」

 僕は椅子に背をどっかりと任せ、あくびをかく。

 まぁ、こんな時間も惜しいから、すぐに立ち上がり、どんどん支度をする。

 まだ、残業勢は結構いるけど、お先失礼するね。


 会社から出て、数分歩くと、駅が見える。

 もう、深夜。最終列車はもうすぐ出発してしまう。

 僕はリュックを背負いなおすと、走ってホームに向かう。


 ICカードを急いで通すも、階段ダッシュ中に電車が出発してしまった。

 あ、やべ、タクシー呼ばないと…。


 僕は踵を返そうとしたが、足は言うことを聞かず、どんどん階段を登る。


 本能にしたがい、階段を走った僕は疲れで、近くのベンチに座り込んだ。


 やべぇ、眠い…。


 やがて僕は、眠りの海へ落ちていった。





 目が覚めた僕は、目の前に広がる白い光を見て、ホームで夜を過ごしてしまったことを悟った。

 リュックの物が盗まれていないか確認するころには、しっかり目はさえていた。


 ん?まてまて、マジでここどこだ?全部白いんだけど?

 宙に浮いた僕は、白い光の中を多少散策したが、誰も見つからない。


 さて、寝るか。寝ぼけていると勘違いした僕は、そのまま寝そべり、日々の疲れを睡魔の捧げ、眠りについた。





「はあ、起きましたか。ここで寝られると、掃除ができないんですよ?」

 僕は、黒い服の男性に抱きかかえられて、どこかへ運ばれた。

 三十路越えのおっさん、お姫様抱っこ状態だ。


 おろされた場所はふかふかのベットで、僕はその気持ちよさに再び眠ってしまった。


「あれ、ここどこ?」

 再び目覚めた、僕が見た場所は、駅のホームではなかった。

「おはようございます、お昼寝は気持ちよかったですか?カイム様」

 メイド服の女性が、僕に語り掛ける。

 カイム様?誰だ?…あれ、声が高くなってる?


「え、えっと…?」

「あれ、まだ寝ぼけているんですか?…って、ちょっと、顔赤いですよ!?」

 メイドさんが、僕の額に手を当てると、ひゃあという声を上げた。

「熱、熱があります!あ、え、あぁ、えっと、常駐医を読んできますね!?」

 メイドさんは、テンパりながら部屋を飛び出していった。

 途中、ごっ、ていう音が聞こえたけど大丈夫かな?


 …、頭痛い…。

 ずきずきとくる頭痛の痛さに僕は絶えたれず、僕はベッドに深く倒れこんだ。


「あれ、起きた?お母様、カイム君目が覚めたよ!」

 ドレスを着た少女が僕にずいっと体を寄せてくる。

 誰…?

「あら、良かったわ。もう、心配したのよ?」

 きれいなドレスの女性が僕に抱き着いた。

 待って、誰…?本当に誰…?

「そのうち、お父様も来てくださるって」

 

「あ、はぁ、」

 そう返すしかないだろ!?

 だって、知らない人が二十人くらい目の前にいるんだもん!!


 僕は、混乱しながらも、僕の手がかりをつかむため、真剣に彼らの話を聞いた。



 もし、あー、ノーストレスだったなぁってなってくださった方は、★評価をお願いします!



 第一話、第二話を読む必要はありませんので、第三話は、こちらからどうぞ。

https://kakuyomu.jp/works/16817139558390252186/episodes/16817139558461132141

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