『九珠の剣』:終わり良ければ全て良しなんだと思う

 第四回偽物川小説大賞の二作目です。実は書いてるときから要反省の気配を感じてたんですが、お題の消化と最後のあれこれが惜しかった以外は好評でほっとしています。



 実は本作、書き出す前に決めていたことがふたつあるんですが、ひとつは「殺し愛を封印すること」、もうひとつは「愛という単語を出さないこと」でした。前者は私が相死相愛大好きマンで手癖で書くとすぐ殺し愛やら後追いやらで死体の山を作りたがるけど偽物川ではそれは通用しないだろうという見通しがあったからで、では後者はどうかというと、ある特定の二人の関係を定義付けるのに愛とか絆とかいうような特別な言葉はいらないと思っているからなんですよね。結婚してるとか恋愛感情があるとかはまた別だけど、そうじゃない場合は殊更語らせる必要もないんじゃないかと。ここにもうちょっと切り込めたらまた違った評価になっていたんだろうなというところです。

 あと本作、プロット立てて書き始めたものの途中で迷走して、エンディングが二パターンに増えたりプロットに全く存在しない新キャラが湧いたりしました。それでもちゃんと収まってくれたのでめちゃくちゃ良かった。まず一良かったです。好評だったのも合わせて二良かった。


 ちなみに、その湧いた新キャラが後半から出てきた清丈なんですが、出した当初はこいつのせいで全てが崩壊したりせんやろうな……? とめちゃくちゃ警戒しておりました。というのも執筆途中で分岐エンドばりに浮上したふたつめの終わり方が律九珠と簫無唱が決裂して対決する、「俺の屍を越えてゆけ」的なやつだったんですよね。清丈がそのきっかけになりやしないかとビクビクしてたんですが、全然そんなことなくて、むしろ何も分からないなりに九珠を助けようとするめちゃくちゃ良い子でした。むしろ良い友人になってくれそう。三良かった。


 反省点は講評で言われたとおりなので割愛します。こちらも要精進というところですね。あとはモチーフにしたあれこれを紹介して終わろうと思います。名前だけ全部書いてくので、気になる方は一個ずつコピペして調べてもらえればと思います。とはいっても日本語の情報は一切出てこないので気になる方は気合いと根性でYouTube見て百度百科読んでください。


金光布袋戲 殊天九 神尼懸簫 萬雪夜 天劍慕容府 

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