第05話 腋臭甘いと寄りつくカブトムシ

EPISODE:05

中年の腋臭は達観の証拠?


勤務していたイタリアンレストランに「腋臭=ワキガ」の中年男性が居た。

腋臭は中高生の頃に自発的に悟り、受け容れ難い人の多くは手術を受ける。

バスケットボールが上手なアイツも大層な腋臭で、

彼は周囲からずけずけ言われていたので、早期に手術することを決めた。

一方、くだんの中年男性は長きに渡って腋臭を背負って生きて来たのだろうが

一度として手術を受けよう、と言う気には成れなかったのだろうか?

「腋臭であろうが俺は俺なんだ」

みたいに達観しているならそれは見上げたものだと思うが、スメルマン肯定論は、周囲の空気を汚しても堂々としていると言う、釈然としない状況が成り立ってしまう。

僕が仮に生粋のスメルマンで在って、達観染みた台詞を吐いた時に、アンチヒーローの味方で居てくれる人は、全体の何%位だろう?

ぼくは中年スメルマンの味方だし、僕がスメルマンであることを告白したら、中年スメルマンは固い握手を求めて来るだろう。

彼と出逢って、一つ解ったことは、異臭がしても「咳」「喉のイガイガ」「くしゃみ」とは、一切因果が無いことだ。テーブルの対面に座っている人が急に咳込み出しても、それはスメル効果では無いので慌てず冷静に。

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