あまえんぼヤンデレるぅちゃんと甘々監禁同棲生活♪

かごめごめ

るぅちゃんはきみをぎゅ〜したい

あ……目、覚めた?

んふふ、おはよーございます、委員長♪

ふふ、まだ寝ぼけてるね

私のこと、わかるかな?


うん、そう、クラスメイトの……って、まだ私のこと、ちゃんとクラスメイトだと思ってくれてるんだ

うれしいな……もう何か月も登校してないのに……

あと、舘花たちばなじゃなくて、るうって、名前で呼んでくれてもいいんだよ? 私と委員長の仲なんだし♪


えっと、それで……委員長は、どこまで覚えてる?

う〜ん、まだ頭がぼーっとしてるのかな? ……お薬の量、ちょっと多かったかな……

じゃあ私が、イチから説明するね


委員長は学校が終わったあと、いつもみたいにプリントと授業内容をまとめたノートを、わざわざ私の家まで届けに来てくれたの

私は帰ろうとするきみを引き止めて、せっかくだからたまには上がって、って家の中に招き入れて……

それからお茶とお菓子を用意して、二人でのんびりお話したんだよ


学校行けそう? とか、勉強はついていけてる? とか、委員長、すっごく私のこと心配してくれてて……

それが学級委員長のお仕事で、先生に頼まれてるってこともわかってるけど、それでも、なんだかうれしくて……


それで私、ちょっとニヤけちゃってたから……真面目に聞いてないと思われちゃったのかな?

また前みたいに、お説教されちゃった……

自分の将来のこと、ちゃんと考えなよって……真剣な顔で、まっすぐ私の目を見ながら、何十分も……


だけどそのお説教は、最後まで聞けなかったんだよね

だって委員長、話してる途中なのに眠っちゃったから

ふふふ、全然おかしくなんてないんだよ? むしろ、もっと即効性があると思ってたから、こんなに時間がかかるんだーってちょっと意外で……

あ、ごめんね、なんのことかわからないよね?

あのね――委員長が飲んだお茶の中に、睡眠薬を混ぜておいたんだ♪


……?

どうしたの、突然そんなに暴れて……

あ、ようやく意識がはっきりしてきたんだね!

ふふふ、じゃあ改めまして……おはよーございますっ、委員長♪

いい夢見れたかな? んふふふふふ……っ


ん……なぁに? ……その手錠が、どうかした?

あ、もしかしておトイレかな? それならほら、そこにおまるがあるから、自由に使ってね

ふふふ、大丈夫だよ委員長。心配しなくても、今日から私がぜ〜んぶお世話してあげるからね♪

だから――間違っても逃げようなんて考えないでね?


といっても、逃げられるわけないんだけどね♪

だってここ、私の部屋だもん。助けを呼ぼうとしても無駄だよ?

……家族? うん、いるよ。お母さんと二人暮らし

だけど、部屋には絶対来ないよ? だってお母さん、私に興味ないから

学校に行かずに引きこもってても、なにも言われないし

だから、ちょっとくらいクラスメイトを監禁しても、全然大丈夫なんだ♪ あはははっ!


えー、どうしたの? ごめん、って、なにに対して?

委員長、なにか私に謝らなきゃいけないようなことしたの?

え……説教?

……ぷっ、あはっ、あはははははははは!

お説教されて、私が怒ってると思ったんだぁ!

ふふふふ、残念! 全然違うよぉ!


むしろ……逆

委員長だけ、なんだよ?

試しに不登校になってみたけど、お母さんは少しも心配してくれないし、叱ってもくれなかった

委員長……きみだけが、私のこと、本気で叱ってくれたんだ♪


はじめて叱ってもらえたとき、すっごくね、うれしかったの!

すっごくすっごくすっごくすっごくうれしかった!! この世界にこんなに私のこと考えてくれる人がいるって、知らなかったから!

それでね、私、きみのことを絶対に手放したくない、って思っちゃったんだ

できることなら永遠に、私のものにしたい……


だから……こうするの……

ふふふ……暴れないで? 大丈夫、怖くないよ?

痛くしないから……少しだけ我慢してね?

一瞬で終わりにするから、そのまま動かないで……


…………んっ

……ぎゅ〜〜〜〜っ


…………んふふっ、あはっ

ほんとに私、委員長にぎゅ〜してる……

んんっ……はぁぁ……っ

ぎゅ〜〜〜っ、ぎゅぅ〜〜〜〜〜っ!

あははっ、これ、想像より全然すごい……なんか……あったかくて、落ち着く……


んん……ぎゅぅぅ、んんんっ……!

ふぁぁ……このまま、肩に顔埋めちゃってもいいかなぁ……? ふふっ、いいよね……

んん…………はぁぁ…………っ

ふぁ……幸せ……はぁ…………んぎゅぅ…………ぎゅうぎゅうっ、ぎゅ〜っ…………んふふ……っ


んっ…………はぁ…………

……え? あっ……ごめんね、苦しかった?

一瞬って言ったのに、ぎゅ〜しすぎだよね、私……

ずっと委員長にぎゅ〜してみたいって思ってたから、我慢できなくて……ごめんなさい……


え……? うん、ぎゅ〜したかっただけだよ?

そんなに意外だったかな?

えっと……私が委員長に、なにか危害を加えると思ったってこと?

ヤンデレに見えた、って……なんだっけ、ヤンデレって。なんか聞いたことあるかも……


えっ、包丁!? 血まみれ!? なにそれ、怖い……

ふふっ、委員長、そういうアニメとか観るんだね。ちょっと意外かも

でも安心して、委員長。私、そんなに病んでないから

大切な人を傷つけるなんて、意味わかんないもん

私はただ、委員長にそばにいてほしい。それだけだから……


え……? 委員長のこと……?

好き…………なのかなぁ?

もちろん委員長のことは人として好きだし、尊敬してるけど、そういう意味じゃないよね?

異性としては……んぅぅ、わかんない……

えっとね、なんていうか……そこまで考えられないの


きみのことぎゅ〜ってしたら、それだけで胸がいっぱいで、幸せで……ぎゅ〜以上のことは、あんまり想像できないかも……

こんなに誰かに抱きついたことなんてなかったから、今はそれだけで充分幸せで……

だからね、恋とか愛とか、そういうのは私にはまだ早いっていうか……よくわからないの……


え……なぁに? ……手錠、そんなに外してほしいの?

だ、だめ……だって委員長、外したら逃げるもん……

いなくなっちゃうの、やだ……

え……?


……頭?

撫でれない、って……え? え?

えっ……あの……

……頭、撫でてくれるの?


ほ、ほんと?

なでなで……してくれるの?

……うそ! ほんとは逃げるつもりなんでしょ? 私を油断させる作戦なんだよね?

だ、だって、そんなことしてもらう理由がないもん!


……かわいそう、だから……?

…………ぅ、ぅぅっ……ぐすっ……ぐすんっ……

委員長が……委員長がっ……ぐすっ……私にっ、同情してくれてるっ……私のこと、あわれんでくれてるぅっ……!

うれしいよぉ……ぐす、ひっく……!


う、うん、わかったぁ……手錠、外すね?

でも、少しのあいだだけだから……終わったら、また手錠するからね?

ん……はい、外れたよ

ふぁ……! あ、ぁぅ…………んぅぅ……っ

……ほ、ほんとに、撫でてくれたぁ……ぐすっ……


ぅぁ、んんんっ……!

すごいぃ……こんなになでなで、はじめて……ふぁぁ…………っ

んん…………んんぅ…………

はぁ……ぎゅ〜も幸せだけど、なでなでも幸せぇ……んん……っ


ねぇ、委員長……私、明日からちゃんと、学校に行こうと思うの……

結局、お母さんは振り向いてくれなかったけど……でも、いいの。委員長がそばにいてくれれば、もう寂しくないから……

ねぇ…………私、偉いかな?


ほ、ほんと?

じゃ、じゃあっ……「偉いね、るぅちゃん。よしよし」って言いながら、なでなでして……?

…………ふぁ……はぁぁ…………っ

……委員長、ほんと優しいね……私なんかのために、こんな……うぅ、ぐすっ……


やっぱり私、委員長のこと手放したくない……

だから……名残惜しいけど、なでなではもうおしまいっ

委員長、両手を前に出して?

ん……これでよし、っと

あははっ、これで委員長は、もうどこにも逃げられないね?


ずっとずっと一緒にいようね、委員長♪

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