ガブリンズ

tea

第1話 少女

『古の坑道』と呼ばれる廃坑の最奥にて、人間の少女がゴブリンに凌辱を受けている。


その部屋にはゴブリン王とその配下数十匹が居たが、実際に少女を襲っていたのは彼らを代表するゴブリン王一体のみであった。

ゴブリン王は自らの体液に麻薬成分を獲得していた。

その為、激しい行為の最中であるにも関わらず少女は朦朧としており、自身の本能的な性衝動によって人間的な理性が凍結されているかのようであった。


数時間かけてゴブリン王は少女の胎内に飽きることなく幾度も射精を繰り返した。

彼はその都度に咆哮を上げ、その咆哮に合わせて周囲のゴブリンたちも雄叫びを上げた。


やがて少女は白目を剥いて意識を失い、ゴブリン王はようやく少女との結合を終わらせた。


ゴブリンは人間とは異なる言語、ゴブリン語を用いて原始的な会話を行っている。

王は部下に、少女を特別な部屋で休ませるように指示を出した。


夜光虫のわずかな光によって照らされる坑道内部は、人間の目にはほとんど暗闇と同じだった。


少女がようやく意識を取り戻し、ゆっくり目を開けた時にも、そこには何も見る事が出来なかった。

それから、少女は自身に起きたことをゆっくり、ゆっくりと思い出して恐怖に震えた。


少女は昨日まで、日本に住む普通の女子高生に過ぎなかった。

彼女には彼女なりの理由があって、そう、昨日彼女は自殺をしたのだった。

彼女は人間死ねば終わりと思っていて、死後にあるのは虚無、自我の無い世界と信じていた。


ところが、死んでから彼女は別世界に飛ばされ、単に舞台を替えてそのまま生き続けているようだった。

その時彼女は自分の家の自室で亡くなったはずだった。

しかし目覚めた時、彼女は唐突にも大森林の暗い藪の中にいて、しかも何故か裸のまま放り出されていた。

彼女は以前に読んだ異世界物の小説を思いだし、神様がチートスキルを与えてくれる場面を祈るように願ったのだが、深夜の大森林には謎の虫や鳥の声が聞こえるばかりで、時間が過ぎるほど彼女の心に恐怖が侵食していった。

死ねば終わりと信じた事が、何の根拠もない甘い幻想だったと自覚した時、逃げ場のない絶望が彼女を責めた。


裸である為、体を僅かに動かすだけで草木に肌が切られるようだった。

立とうとすると、足の裏に固い何かが突き刺さろうとするような感触を感じた。

身動きが取れず、どうしようかと益々心が追い詰められる。


それから五分と経たぬうちに、少女はどこからか現れたゴブリン達に発見、捕獲された。

ゴブリン王は自らの体液を用いて少女を昏倒させ、彼らの王国たる『古の坑道』へと連れ去ったのだ。




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