二九三九五三日目

 目が覚める。僕は砂漠にいた。砂漠で目覚めるのは初めてだった。鏡の類はない。服の中に手を入れると僕は男のようだった。

 傍には数頭のラクダがいる。それから、頭にターバンを巻いた人達がいる。

 聞いてみると、僕は四十代くらいで彫の深い顔立ちらしい。

 ラクダに乗って砂漠を横断した。果ての見えない砂の海は壮麗だった。

 お昼ごろのことだった。突然くらくらして、なんだか眠くなってきた。意識が遠くなって、そのまま倒れてしまった。

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