誰かが俺を狙っている。

松島美春

俺は對馬佑介（つしまゆうすけ） 17歳。

俺は最近誰かに見られている気がする。登下校の時も家にいる時も。気味が悪いが、それ以外特に害はなくあまり深刻に考えないようにしていた。だが今日はふと好奇心が湧いてその視線の正体を暴いてやろうと思い立った。

「佑介ー！おはよー！」

静かな住宅街に響くこの明るい声は幼馴染みの松島美春（まつしまみはる）。現在は別の高校に進学したが時々こうして声をかけてくれる。

美春が俺を尾けている可能性は？いや美春は友人も多く、部活やバイトと忙しい日々を送っているからわざわざ俺に執着する必要がないだろう。そもそも少なくとも放課後はそんなに暇じゃないだろう。

でも一応観察してみるか…。

「佑介どうした？そんな真面目な顔して」

「俺がそんな真面目な顔してたら悪いか！」

「うん今日は雪が降るかもな～」

「おい！」

「アハハ！」

そんな他愛もない会話をしてそれぞれの高校へ登校した。

美春に怪しいところは特に見られなかったな。