第6話  妹の帰郷

「ミレーユが帰って来るのですって?」


「はい、お嬢様。3日後に帰郷されるです。その時に、許婚の方も一緒にいらっしゃるそうですよ」


 朝起こしに来た侍女に三日後に妹が、銀の森の光の神殿から帰って来ることを聞きましたわ。

 聖典の暗唱がの試験が受かったのですわ。

 やりますわね……

 あんな分厚いものを暗唱を。


 あたくしも五年前に行ったことがあります。

 でも、三日で帰ってきましたわ。

 規則、規則で厳しい生活。加えて、分厚い聖典を見てムリ!!ッと思いましたの。

 帰る時は、巫女達に脱落者は初めてです。と言われましたけど、気にしていません。

 あたくしには、合わなかっただけなのですから。


 元王族のお母様には大層怒られましたわね。

 それから、絵師のエドワゥ・ポアロが連れて来られて、何枚のあたくしの肖像画が

 国内外を飛び交っているのだか……ですわ!!


「ミレーユの婚約者ですって……!?」


「はい、アルテアの豪商のご子息だとか?」


 侍女のジェーンは言う。


「肖像画を交換なさって、お互いに気に入られたそうですわ。男性は、大金持ちでアルテアの王立学院で勉学中で、卒業したら婚礼になるそうです」


 アルテア人ですの?

 商人が貴族より力を持っているという変な国ですわ。

 お金持ち…ではありますのね。


 あたくしは大きく溜息をつきました。


 欲しいかも……ですわ。アルテアの豪商の子息ですって……?

 顔が良いなら、なお良いですわ。


「ねえ、ジェーン。その者の肖像画はないの?」


「お嬢様、また悪い癖が出ています。どうしてミレーユ様のモノを欲しがるのです?」


 あたくしはパチクリとジェーンを見てしまいました。


「そうかしら……ですわ?」


「そうですよ。ミレーユ様の持っていた人形から、ドレスまでお揃いのモノを揃えて頂いても、取り上げていましたね?」


 ジェーンはあたくし専用の侍女で、姉のように接してくるのですけど、このように主従関係を越えてことを言ってくるあたくしには、数少ない人でしたわ。


「とにかく、三日後には、ミレーユ様と婚約者様がいらっしゃいます。ヘンな事をなさらないように!!」


 お金持ちとなら、あたくしが結婚したいですわよ。

 お金があれば、空腹にはなりませんわ。

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