ストーリー2:滅の襲撃

チャプタ―1

俺は、図書室で、幻衝怪を調べていた。

「五十種類以上も居るのか。」

そこへ、天衣がやって来た。

「激。何を調べているの?」

「いや、言えない。」

「幻衝怪? 私にも見せて。」

「良いけど、何で、俺の名前を?」

「私は、烈真 天衣。美佐さんから、聞いたの。」

「どうりで知っている訳だ。」

「よろしくね。天衣って呼んで。」

「天衣。この本、空想だよな?」

「うーん。でも、空想って言えるのかな?」

「じゃあ、何なんだ?」

「私に聞かれても。そうだ、烈香なら理解るかおも。連れて来るね。」

天衣は、去って行った。

「この学校は、変だ。いや、街全体が変なのか。この本に載っている怪人が居るとは。」

チャプター2

そこへ、天衣が、烈香を連れて、走りながら戻って来た。

「激。お待たせ。」

「激。初めまして。真空 烈香です。よろしく。ピザ、好きそう。」

「ピザなら大好きだ。毎食でも良い。」

「それは、良くない考えかも?」

「大正解か。冗談だったんだけど?」

「くっ。冗談だったのか。」

俺は、力が抜けた。

「もしかして、冗談が通じないとか?」

「理解ってくれれば、良い。」

「今のまずかったかな?」

「うん。相当、ショックみたいね。」

「激。御免。許して。」

「気にするな。あの話の続きを。」

チャプター3

「烈香。この本、知ってる?」

「この本か。あれ、でも、何で、この本がここに在るの?」

烈香は、震えながら、話し出した。

「あ、ありえないよ。だ、だって、この本は、偶先生が消去したんだよ?」

「消去したって事は?」

俺は、レイドの事を思い出した。

「激。何か知っているの?」

「たぶん、レイドへリッドの仕業だな。」

チャプター4

そこへ、レイドがやって来た。

「良く理解ったな。だが、理解したのがまずかったな。邪幻衝。」

そこへ、偶がやって来た。

「君達は、逃げなさい。」

俺達は、走りながら去って行った。

チャプター5

「レイドへリッド。ここから立ち去れ。」

「やなこった。お前をこの場で倒す。」

「それなら、良かろう。アークランサー。」

「邪幻衝。はーっ。」

レイドは、邪気を想像して術を放った。

「ウワーッ。くっ。もう少し、距離を延ばせれば。隠幻衝。」

偶は、隠れた。

「隠れても無駄だ。出て来い。そこか?」

レイドは、本棚を斬り裂いた。

「私なら、ここだ。斬幻衝。アークリヴァイディング。」

偶は、レイドを一刀両断した。

「ウワーッ。だが、ここで倒される訳には、いかない。移幻衝。」

レイドは、消えるように去って行った。

「私の腕も、まだまだいけるな。」

偶は、少しだけ笑った。

チャプター6

ここは、キエーレビルである。

レイドは、五階に居た。

「もう少しのところで、偶を。くそっ。」

レイドは、壁を殴った。

そこへ、滅と手の目がやって来た。

「レイド。その怪我が治るまで、休んでて良いぞ。あの技から逃げるとはな。」

「申し訳ございません。良いところまで追い詰めたのですが。」

「気にするな。クククッ。手の目。街を破壊して来い。」

「お任せ下さい。偶もろとも吹き飛ばして御覧に入れましょう。」

「ふっ。手の目よ。奴には、油断するな。それに、月虹 激とかいう者にもな。」

「了解しました。では・・・。」

手の目は、街の中心へ向かった。

「偶以上の力か。面白い事になりそうだ。対決してみたいものだ。フハハハーッ。」

レイドは、その笑いに寒気を感じた。

チャプター7

五日目の朝。

手の目は、街を幻衝光線で破壊していた。

「ウワーッ。キャーッ。」

「こりゃ面白いぜ。へへへーっ。」

そこへ、偶がやって来た。

「幻衝怪手の目。そこまでだ。」

「ほほう、偶か。私の幻衝光線で消えてみるか? クククッ。」

偶は、アークランサーを構えた。

チャプター8

「やってみなければ、理解らんな。」

「なめるな。テン。」

手の目は、十体ものテンを召喚した。

「キエーッ。」

「また、そいつらか。」

「者ども、かかれ。」

「キエーッ。」

「はーっ。おりゃーっ。でやーっ。」

偶は、拳や蹴りで、次々とテン達を倒していった。

「キエーッ。」

「喰らえ。幻衝光線。はーっ。」

手の目は、左手から、光線を放った。

「ウワーッ。」

「へへへっ。もう一度。喰らえ。」

「今だ。反幻衝。アークリフレクト。」

偶は、光線を跳ね返した。

「ウワーッ。跳ね返すとは。」

「止めだ。斬幻衝。アークリヴァイディング。」

偶は、手の目を一刀両断した。

「ギャーッ。私を倒しても、手だけは、生き残る。切幻衝。巨幻衝。ぐはっ。」

手の目は、左手を切り離して、巨大化させた後、爆発して消え去った。

「ギエーッ。」

チャプター9

「召幻衝。アークジラフ。」

偶は、アークジラフを召喚した。

「うへーっ。気持ち悪い。手のひらに一つだけ目が。」

「ギエーッ。」

手の目の左手は、幻衝光線を放った。

「ウワーッ。怯えている訳には、いかない。アークショックランサー。」

アークジラフは、手の目の左手を浄化しようとしたが、全く通じなかった。

「何で効かないの?」

チャプター10

その時、偶は、手の目の左手の弱点に気が付いた。

「そこか。アークジラフ。そいつから、出来るだけ遠くに離れていろ。」

「理解ったわ。気を付けてね。」

「的幻衝。矢幻衝。聖幻衝。はーっ。」

偶は、アークランサーに術を付加して、手の目の左手に向かって投げた。

アークランサーは、手の目の左手の目玉に命中し、突き刺さった。

「グウーッ。」

手の目の左手は、爆発して消え去った。

「偶。何で、倒せたの?」

「心の目で弱点を探しただけだ。」

偶は、溜め息を吐いた。

チャプター11

ここは、図書室である。

俺は、一人で幻衝怪を調べていた。

「壊恐 滅? 人間の姿をした幻衝怪。様々な幻衝術を駆使する。」

俺は、異様な寒気を感じて、本を投げた。

「き、気味が悪いぜ。これ以上、調べるのは止めよう。」

いつの間にか、本は、消えていた。

「ウワーッ。」

俺は、走りながら去って行った。

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