第12話 『緑色の霧の中で』の裏話

 『一蓮托生』シリーズ、KAC2022で書き下ろした『もう会えないけれど』に続き、KAC2023の新作として書き下ろしたのが『緑色の霧の中で』である。

 ここからは内容のネタバレを含むので気になる方は先にお読みいただきたい。


KAC20234『緑色の霧の中で』

https://kakuyomu.jp/works/16817330654188850589


 本作のカテゴリはSF、主人公は横澤よこざわかつらと京極きょうごくたかしの息子、京極きょうごく伸男のぶおである。『自分、みいつけた』で登場する田城たしろまもるとノチィヒ星人、双方を結びつけた「緑色の石」はどこから来たのか、というのが本作のテーマだ。伸男がラストでながれ川に投げた「緑色の石」を一年後拾ったのが田城士ということになる。


 きっかけは京極伸男の子孫、サダミツ・キョウゴクと田城士の子孫、トキヒコ・トリイが『俺たち「連星コンビ」』でノチィヒ星人と再会するエピソードを書いた時に、京極伸男がノチィヒ星人と会っていたという設定を作ったことだ。どこかでその時のエピソードを書こうと思っていたが、KAC20234のお題「深夜の散歩で起きた出来事」でいけると思い、執筆したのだ。

 伸男が深夜に散歩に出ていた理由として、姉のあかりが娘のやちよを出産したのが田城士の拉致事件の一年前であることを利用した。多少卑怯な形ではあったが、父親のたかしの姿も描くことができ、個人的には満足している。


 隆の急死と、それに伴う京極家の人々の物語については、まだまだ掘り下げられるネタがあるので、また機会があれば書いてみたい。

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