第6話 神田の神保町で見つけました。

今日は久しぶりにお休みをもらった。

前々からおばあちゃんに『たまには休んでもいいのよ』と言われていたので、今日はその言葉に甘えてみた。

おばあちゃんは『若い女の子がお休みを過ごすのにはこれが必要だね』と言い、私にお小遣いを持たせてくれた。


今日はちょっと神保町の方に行ってみようかと思う。


東京は神田の神保町と言えば『本の街』

大手の書店から古本屋さんまでたくさん並んでいる。


でも正直、今まで来たことがないので、この本の街がどのようなものかがさっぱりわからない。

古本屋かと思えば、江戸時代の地図とか江戸時代末期から明治初期の古書を取り扱うお店だったり、古本屋が複数のお店が入っているビルでは、エレベーターが開くといきなりアダルト専門の書店が出現したり失敗もたくさんあった。


でも、その日はもしかしたらラッキーdayだったのかもしれない。

たった6軒しかまわっていないのにアレを見つけたの!


美澄みすみさんが注文したけど手に入らずに諦めていた本『雨粒の中の妖精たち ショーン・J・バック』

しかも2冊も見つけた。


「すいません。この本ください」


2冊で4,300円。

おばあちゃんからお小遣いもらっていて助かった。


胸の高まりが止まらない。



美澄さん、喜んでくれるかな。



『美澄さん、これ偶然見つけたんです。もしよろしければ.. 』

『こ、言葉ことはさん、私も読んでみたかったから、探してみたら2冊もあって.... 』


さすがに『言葉さん』は馴れ馴れしいかな♪


そうだ、どっかでラッピングも買って帰ろう。


『読んでから渡そうか? 渡してから読もうか? 』帰りの総武線の中ではそんな事ばかりを考えていた。

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