第5話

高校へと進学。


「おはよう、ハルー。」

と、百合花。


「おはよう。」


「あんね、ハルー私、婚約しなくて済んだの

お父さんの会社に、融資が決まって、

ハルーには、真っ先に報告しようと思って。」

嬉しそうな百合花を見て、春樹は嬉しかった。


「じゃあ、これで安心して、結婚出来るな?

俺と!」


「ハルー、もう高校だよ!進路とか

考えないと!」


「俺と百合花の、進路は決まってるから!」


「はぁ?何それ!」


「俺は、父さんの後を継ぐから、大学に

行って、経営学を勉強するから!百合花も

一緒に、経営学を勉強するんだ!そして

一緒に仕事をして欲しい、いや、するんだ

決めたから!」


「ハルー、付き合っても無いのに、今度は

仕事迄、決めたの?」


「どうした?」

と、みんなが集まって来た。


「ちょっと聞いて!ハルーがね、お父さんの

仕事を継ぐから、私も大学で経営学を

勉強しろって言うの!」


「ほーそれは又、ハルー気が早いね!」

と、誠二達。


「いや、もう決めたんだ!」


「ハルー、百合花の気持ちは、どうするの?」


「これからの3年間、毎日プロポーズして

同じ大学に行って、必ず俺の、お嫁さんに

する!」


「ひぇーハルーの、その一途な気持ちは

どこから、来るの?」


「あっ!しなくていい!それは分かってる

心臓でしょう?」

と、咲達。


「ハハハハ。」


「だから、みんな俺に力を貸してくれ!」


「どんな力を?」


「前にお願いしただろう?咲達は百合花に

暗示を掛ける様に!」


「あっ!忘れてた。」


「こんな、大事な事を忘れて、どうするんだよ!」


「分かった、まぁ、やってみるわ。」

気楽な女子達。


「俺達は?」

と、誠二達が聞くと


「そうだな、百合花に悪い虫が、付かない

様に見張ってくれ!」


「ラジャー。」

と、又、気楽な誠二達。

百合花は、ずっと軽くあしらっているが

春樹の事は、好きだった。

最初から、結婚と言われて、一度断ったから

うんと、素直に言え無いだけだった。

それに、今度は大学、しかも専攻する科目迄

決められて、どう対応して良いのか、困っていた。

ただ、春樹がふざけて無い事は分かっていた。


「よし、今日は進学祝いだな!」

又、春樹が言い出す。


「又?」

と、全員が口を揃えて言う。


「おー大事なの、こういう事は又、カラオケ

行こうぜ!女子はNIZIU歌って踊れよ!」


「出来ないよ!」


「夕方迄、練習しとけ!」


「じゃあ、男子は?」


「俺達は、BTSだ!」


「えー!」

と、誠二達。


「ハルー出来ないぞ!」


「練習すれば、何とかなるもんだ!」

もう、みんな呆れて、反論する気もしない。

とにかく、一応練習するみんな。

携帯の動画を、見ながら頑張っていると

先生が入って来た。


「ほーこのクラスは、音楽科か?」

笑いながら、嫌みを言われる8人。

夕方、カラオケボックスに行く8人。


「よし、百合花達が先に歌えよ!」


「えー私達?ハルー達じゃ無いの?」


「俺達は、トリだよ!トリ。」

そして、歌う百合花達。

何とか最後迄、歌って踊った。


「やるじゃん!お前達、カッコいいよ!」

男子達から好評だった。

さぁ、トリの男子達、あのBTSを、どうするのかと期待して、見ている百合花達。


「上手いー何!」


「あの短時間で?」

終わると、思わず拍手していた。

それ位、カッコ良かった。

こうして、高校生活はスタートした。

毎日の春樹からの、プロポーズに

駄目と断る、百合花。

咲達は、春樹に言われた通りに、暗示を

掛けて来る。


「百合花は、ハルーと結婚したくなるー」

そんな、ある日

咲達が、慌ててやって来た。


「百合花、ハルーが、ハルーが、告白されてるよ!」


「えっ!あっ!でも、ハルーは、中学の時

から、モテてたから。」


「そんな、呑気な事を言ってていいの?」


「だって、しょうがないじゃん!誰が

誰を好きになっても、決めるのはハルー

だし!」


「百合花、余裕だね!」


「そんな事無いよ!」

内心、百合花はモヤモヤしていた。


(やっぱり、ハルーは、モテるんだな?

何て返事するんだろう?聞けないしなー)

春樹が、教室に戻って来た。

咲達が


「よっ!モテ男!」


「やるねーハルー。」

と、冷やかす。

春樹は、百合花の所にやって来て


「俺、ちゃんと断ったから、結婚する人が

居るからって!」


「えっ?そんな断り方をしたの?」


「うん!本当の事だから。」


「あのーハルー?私はまだO.K.して無いよ?」


「これから、これから。」

内心、ホッとする百合花


(あれ?私ホッとしてる、ハルーの事は

好きだけど、こんなにも?毎日の暗示と

プロポーズで、おかしくなってるのかな?)

ふざけながらも、みんな大学受験の勉強を

頑張っていた。

そして、月日が流れるのは早い。

もう大学の志望を、決めないと、いけない

時期が来た。


「百合花、〇〇大学の経営学科だからな!」


「えっ?本当に同じ大学に行くの?」


「当たり前だろう?俺が百合花に嘘を

ついた事が有るか?」


「無いけど……」


「そんなに、俺の事が嫌か?」


「嫌じゃ無いよ!」


「じゃあ、そこにしろよ!」


「うん!」


(ハルーと同じ大学か?でも何だか

楽しそうだな!)

8人全員が、大学進学で、春樹、誠二

百合花、美園が一緒の大学で、後の

4人は、それぞれ目標が有って、違う

大学を受験する事に、なった。

中高一貫の進学校なので、ふざけて遊ぶ

けど、成績はみんな優秀だった。

無事8人全員が、合格した。

みんなは、春樹が言い出す事が、分かって

いた。


「合格祝いを、するぞ!」


(やっぱりー)

全員の心の声だった。


「又、カラオケ?」

と、百合花達。


「そうだな!又、違うの練習して、行こうぜ!」


「ラジャー。」

全員もう、反論は止めた。

でも、行くと楽しくて、ただ、みんなの感じた事は


(又、卒業祝いを言い出すな!)

全員、同じ気持ちだった。

卒業式が終わると、やっぱり言い出した。


「卒業祝いするぞ!」


(やっぱりー)

みんな、分かってたので


「ラジャー。」

と、返事した。

楽しい、高校生活だった。

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