第22話 後輩がかわいかったから2人で褒めたたえまくった

会長と一戦を交えた日の翌朝。

アリシアが昨日の夜、また調子がおかしいと思ったのだが、寝ぼけているのではないかと指摘され、そのまま納得した自分がいる。


というわけで今日は土曜日。普段なら学校は休みなのだが、生徒会のお手伝いと、正式に加入することを伝えなければならないため、俺とアリシアは珍しく歩いて学園に向かっていた。


「歩くのもたまにはいいねー。最近、ずっと魔法で高速登校してたから新鮮」


「来週から週に2、3回歩いて登校するか?」


俺は冗談半分で言うと、アリシアが満面の笑みを浮かべた。


「いいね!ここ数週間はそれでいこう!」


「え、マジ?」


「ほんとほんと!」


週3で一緒に歩いて登校することが決まったあたりで、後ろから俺たちを追う、足音が聞こえた。


もしかしたら違う人かもしれないだろう。

だが、走ってくるその子は学校に着て行くにしては少し攻めている気がする肩出しの服に、対照的な黒のスカートとタイツ。


アリシアのように完全な長髪というわけでもなく、ショートでもない白銀の髪をゆらしながら、碧く澄んだ目は間違いなく俺たちを見つめている。


ちょうど見えたところで、彼女はさらに加速し、俺たちは足を止める。


「はぁ…はぁ…せんぱい、おはようございます…」


「おはようー」


紛れもない、クリシャだった。

俺もそうだが、アリシアもまずクリシャの服装に目がいっている。


確かに、休日に学校に来ることもないから、来る時は制服で来いとは言われていない。だから、あながち間違ってはないのだが…


「ねえ、」


俺が喋ろうとした瞬間に、アリシアの口が先に動いていた。


「攻めすぎじゃない?私が言うのもなんだけど…」


俺も頷く。

正直、とてもじゃないが中学生ならまだしも、高校生が登校するときに着る服にしては少し肌の露出が多い気がする。いくら土曜日で学校がない日とはいえ、先生は数名来ているわけだし…


「大丈夫だと思いますよ?そもそも、今日の午後は友達と遊ぶ約束ありますし…」


「そっか。それなら大丈夫だと思う」


アリシアが少し安心した顔で言う。


「大丈夫なのか?」


「うん。一人だとこんなにかわいいクリシャちゃんを狙った変態たちが集まりかねないから」


「そ、そんなことないですよ。アリシア先輩はいつも言い過ぎです…」


「そんなことないよ!クリシャちゃんはかわいいんだから!ね?」


少し圧のこもった視線がアリシアから向けられる。別に圧をかけなくてもいいと思うのだが。


「そこに関しては否定しないし、俺もそう思う。だけど、俺が言いたいのは登校するにはちょっとまずいんじゃないかっていうところで…」


「もう、先輩までぇ…」


気づけば、俺たちの一歩後ろを歩いていたクリシャが顔を赤くしてものすごく照れていた。


「いや、事実だし」


今は隣にアリシアがいるおかげで2人きりのときに言ったら恥ずかしいキザなセリフも少しはアリシアの言葉でやわらげられる。だけど、やっぱり抵抗はあった。


「でも、確かにこれを来て学校に行くのはちょっと…って感じね。先生に見られたら絶対注意されそう」


「そうそれ。俺が言いたかったこと」


「確かに、そうかもしれないですけど、休日にまで制服着て学校に行きたくないですよ。文化祭とかあるわけでもないですし…」


「安全策ってやつだな。特に一年生のときはいろんなことを先生から注意されやすいから、気をつけておいた方がいいと思うぞ。俺も去年たくさん注意された」


「そうなんですか?気をつけます…」


「私はそんなに気を配る必要ないと思うよ。クリシャちゃん、いかにもしっかりしてる感出てるし」


「もうだめぇーーこれ以上はよくないですぅ…」


遂には恥ずかしすぎて両手で顔を隠してしまうクリシャなのだった。


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これも、改稿してません…やっべぇーー!

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