6会社の警備体制と面接

 予告された会社の社長は苦渋の決断を迫られていた。

「増員するか」 

 予告されたから警戒態勢をとることにした。

 警戒するには人手が足りない。

 新規採用に踏み切ることにする。

 新人ではだめ。即戦力で頭の回転が速い人間が欲しい。


 企業名は伏せて応募者を募る。

 最終経歴が海外で、有名な大学を出ている。

 容姿に華やかさはないが、生まれだけアメリカで国籍自体は日本人の鈴木なおこ。


 秘書の資格もあり、華麗な経歴が並ぶ。

 嘘かと思うほどに華やかだ。

 経歴とは裏腹に黒髪で大人しい女性が面接に登場した。

「よろしくお願いいたします」

 落ち着いた声音でなぜ、どうしての質問攻撃に明瞭に答えていく。

 面接者の中で、一番頭の回転が速い。

 彼女が退出した後、社長は言った。

「ほかの候補者を呼ぶ必要はない。彼女に任せてみよう」

 あっという間に採用までこぎつけた。


 出社日、1日目。

「鈴木なおこと申します。よろしくお願いします」

 周りの反応は様々だ。


 刺客ではないかと疑いの目を向けるもの、嫉妬の目線を向けるもの、彼女のファッションをチェックするものの視線が交錯する。

(ここから信用を得るのは大変そうね)

 さぁここからが腕の見せ所だ。





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