第7話



 コミネはケイの事を思い出している。

ぺペンギンは既に居ない。

メグの部屋にある秘密のシェルターに入るそうだ。


「似ていたなぁ」


コミネは先程から同じ言葉を何回か繰り返し呟く。


「先生、遊ぼ」

可愛い小さな犬と、いつも遊んでいた。

コミネが訪れた時は、いつも3人で遊んでいた可愛い姿。


「せ・ん・せ・い、あ・そ・ぼ」

小犬を抱いた少女の最後の言葉。


その言葉が耳から離れない。


メグとケイ、双子のように似ている。


 ケイ。

オオサワの娘であると共に人体実験に使われた幼い命。

最後のあのむごたらしい姿が脳裏から離れない。


 旅の空の下で。

野宿をしている時も、安い宿に泊まっている時も。

幼い少女が共に旅をしているかのように現れる。

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