第32話 ライバルの出現は突然に!②

「玲司くん!玲司くん!、ここにいるんでしょ!」

「玲司!早く開けろ!」

「チッ」


(なんで、もう、地獄絵図みたいになってるんだよ‥‥。ドア開けたくない‥‥。)


でも、2人を待たせるわけにもいかず、ドアを開けるために、ドアノブに手をかける——


——ただ、ドアノブは微動だにしなかった。


ドン!

「玲ちゃん、ドアを開ける必要なんてないよ。私と2人でいれば良いんだよ。」


優ちゃんが俺を押し倒したからだ。

‥‥それを言われて、『そうだね!』とはならないよ。



「ちょっと何やってるの!玲司くん、大丈夫!?」


ただ、杏奈ちゃんは痺れを切らして、ドアを『バン!』という音とともに開ける。


そして、優ちゃんに押し倒されている俺を杏奈ちゃんと正くんの2人は見たが、反応は全くと言っていい程、違っていた。


正くんは、満面の笑みで、

「よし、これで杏奈も諦めるはず‥‥。」

と、小声をこぼす。


杏奈ちゃんはぶつぶつと呟きながら、俯いてしまった。

(杏奈ちゃんが怖すぎる‥‥。さっきのテンションから急に暗くなり過ぎだよ‥‥。)



「あ、杏奈ちゃん?大丈夫‥‥?」


少し経つと、杏奈ちゃんも立ち直ったのか、

「あはは!玲司くん、間違えちゃダメだよ?

私はこっちだよ?」

笑いながら、俺に近付いて来た。


(怖い‥怖い!怖い!!)

なんでそこで、笑うの!?

好きな子が別の女の子に押し倒されてるんだよ!?


この行動には、優ちゃんも正くんも困惑したようで、2人ともポカンとしていた。

そして、その隙を杏奈ちゃんは見逃さず、優ちゃんから俺を後ろから抱きつく形で奪った。



「玲司くんは私のものでしょ?だから、間違えちゃうなんて絶対にしちゃダメなの。」


「「「‥‥‥!!」」」

杏奈ちゃん以外の3人が気がついて理解した頃には、もう遅かった。


だから、正くんは慌てたように、

「玲司!俺がかくれんぼで勝ったら、2度と妹に近付くな!!」



僕は必死な正くんを見て

(かくれんぼで勝負するの‥‥?)

と、驚きを隠せなかった。













書いてたら、杏奈ちゃんも相当ヤバいキャラになってしまった‥‥。



あと、夏休みパワーなのか、

この作品のフォロワーさんが、夏休みの間だけで17人増えました!


これからも投稿していくので、よろしくお願いします!!

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