おっさん、ダンジョンに行く


 さてさて、楽しい異世界生活をしていく上では、さっきも述べたように、やはり財が必要だ。


 生きていく上に必要不可欠なものを「衣食住」と表すが、衣食住のどれを揃えるにもお金がいる。つまり、一番大事なのは財。


 「俺でも倒せる魔物とかいるのかな。」


 そのため、素人にはパーティーを組むという方法もあるが、パーティーを組むのにもお金がかかる。善意で無料でやってくれる人もいるらしいが、なかなかいないらしい。


 「今は本当に節約しないとな……銀三枚では1日も生きられるのか……」


 さっきは運良く無料で喉を潤し、物を食べ、休むことが出来たが、こっからはお金の取引が発生する。


 何としてでも、お金を得なくてはならない!


 「なぁ、お前も今日ダンジョンに行くのか?」


 「あぁ。やっぱり外は恐いからな。もうちょっとダンジョンで修行を積む必要があるな。」


 とある冒険者同士の会話を聞いた。なんだ?ダンジョンって……


 「あのう……すいません、ダンジョンって何ですか?」


 「あぁ?知らないのかい?ダンジョンっつうのは、魔力が充満して、魔物がいる空間のことだよ。もしかして、お前もダンジョンに行きたいのか?」


 良く分からないから、見てみたい……


 「はい!」


 「じゃあついてこい。歩いてすぐだから。」


 そして、僕は彼らについていくことにした。


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 ついたのは、トンネルの入り口のような場所。だが、柵がはられている。そして、そのトンネルの周りにはたくさんの冒険者や、出店があった。


 【ユウトは、タランプ廃鉱についた!】


 「ここはタランプ廃鉱つってな、昔は炭鉱だったらしいが、運悪く魔物の住み着いている地点を開けちゃったもんだから、そこから魔物がこの炭鉱中に漏れでたらしい。」


 「炭鉱…………」


 「このダンジョンはフロア型っていって、深ければ深いほど魔物が強くなる。まぁ、地下一階や地下二階なら、お前一人でも倒せる魔物がいるはずだ。」


 「教えていただきありがとうございます!」


 「頑張れよ!」


 そして、彼らとは別れた。


 「なるほど。ダンジョンか。本当に、俺でも倒せるのかな……」


 そして、ダンジョンに入った。すると、不思議な雰囲気が漂ってきた。モワァッと身体にかかるように。


 「凄い。外とは全然違う雰囲気だ。」


 一階は、魔物がいそうな雰囲気ではなかった。むしろ人が賑わっており、若干ガラの悪い地域、というような感じだった。

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