おっさん、町に着く


 恐らく、小枝で戦って敵う相手ではなかっただろうに。


 「もう疲れたし、腹も減ったし、喉も乾いたよ!どこか町的なのは無いの?」


 そう思いながらトボトボ歩いていると、なんと文明が見つかった。大きな塔や家が見えてきた。


 「町だ!やった!これで休めるぞ!」


 何とか、文明にたどり着いた。


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 【ユウトは、アンプルタウンに着いた!】


 どうやら、ここはアンプルタウンという町らしい。とても賑わっていた。


 「凄いな。中世ヨーロッパみたいな町だな。」


 本当に異世界である。漫画となにも変わらないくらい。さて、これからどうするか。


 「あっ!良いねぇ。風情のある……」


 漫画でも見たような光景。汚れた木の板の看板、全開きのドア、椅子代わりのタル、そしてワイワイガヤガヤと絶えない笑い声に話し声。酒場である。


 そして、その酒場の中に入った。


 「やぁ、いらっしゃい!何を飲むんだい?」


 メニュー表を渡された。


 (そうだ!俺、今いくらあるんだろう。)


 ポケットをゴソゴソとすると、唯一見つかったのは五百円玉くらいの銀貨3枚だけであった。


 「こ、これで飲めるもの……」


 「ビールは銀2枚からだ。ウィスキーが飲みてえなら銀5枚が必要だな。ビールにするか?」


 「じゃあ、ビールで。」


 何とか飲み物が飲める。


 「ヘヘヘ。弱々しいナリだな。素人冒険者か!」


 酔っ払った大男が話しかけてきた。


 「え、えぇ、まぁ……」


 「俺はよ!今日こんだけでっけぇドラゴンを一人でやっつけたんよ!何つったか、ランドドラゴンってヤツだっけな?」


 ランドドラゴン……さっき俺のことを追っかけ回してたヤツか。こんだけの大男なら、一人でアレを倒せちゃうんだな。


 「そんで国から討伐報酬なんか貰っちまってよ、ただの腕試しだったはずが、まさかのあぶく銭だ!へへっ、お前のそのビールも奢ってやるよ!」


 「そ、そんな……」


 「ハッハッハ。良かったな、素人君。別に遠慮する必要は無い。コイツの財布はコイツの睾丸なみにでかいんだよ。」


 店主がそう言った。


 「だがすぐに中身はスッカラカンだがな!グッハッハッハッ!」


 何という陽気な。まぁ、いいや。この雰囲気に慣れるには、飲むしかない。タルのジョッキに入ったビールをグビグビと飲んだ。


 「プッはぁー!!!」


 生き返る!会社と言うの名のアールピージーを攻略した後に飲むビールよりも格別な味であった。これが、異世界の#酒__ビール__#か。

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