おっさん異世界探訪記

plutoniumプルトニウム

おっさん、死す


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 35歳、俺、#上島__ウエシマ__# #悠人__ユウト__#はつまらぬ人生を送っていた。


 35年間彼女無し、趣味はゲーム、漫画、アニメ、ブサイクすぎるわけではないが、パッとしない冴えない顔。そして陰キャのモブ。


 35年間、これといったきらめきを体験したことがない。


 辛うじて、小学生までくらいだろうか。いや、小学五年生くらいから誕生したスクールカーストによって、自分の立ち位置が決まってしまったのだ。


 青春など糞食らえ。勉強に夢中になっているフリをして、学生時代はやり過ごしていた。(だからといって、凄い頭がいいわけではない。)


 なんというつまらない人生。


 今日もコンビニで弁当とか買って、それを食べて寝ると言う生活。


 この生活サイクルを二十歳からずっと続けている。


 もし、彼女や妻がいれば、家で美味しい温かい料理を作って待ってくれるだろうに、俺は電子レンジという無感情の機械によって無理矢理温められたものしか食べれないのだ。


 「はぁ。不甲斐ねぇ。」


 いつまで続ければいいんだ?こんな生活。


 「あれ?……っち!マジかよ、トイレットペーパー切れてんじゃん!」


 めんどくさいが、トイレットペーパーを買いにいくしかない。彼女も妻もいないから、誰も買っといてくれないのである。


 「ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!ハァッ!」


 運動もろくに出来ないから走ればすぐに息が切れてしまう……でも、あとちょっ




バンッ




 鈍い音がなった。僕は、走ってきたトラックに轢かれ、吹き飛ばされた。


 「だ、大丈夫ですか!?きゅ、救急車ぁ!!」


 俺を見て大丈夫だと思うか?変な方向に曲がってるし、血でグッチゃグッチゃだ。


 どうやら、もう死ぬようだな。


 まぁ、これから生きてても、ろくなことは無さそうだったし、別に後悔とか未練とか何もない。


 (意識がぼやあっとする。生きてるのか死んでるのか良く分からない状態だな。)


 なるほど。これが死ぬというものか。案外普通なもんだな。


 俺は、流れ出る血と共に、意識がだんだん遠のいていくのを、感じているしかなかった。


 救急車が着いたようだ。でも、こんなんになってる俺なんかを助けようとするよりも、他に助けるべき人がいるだろう。


 あぁ。もう死んだんだな……


 完全に視界が真っ暗になった。


 来世はどんな生活になるかな。きっと良くなるに違いない。不甲斐ない人生だったもんな。


 来世に期待しよう……

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