今更ながら

 



 今更ながら、隣の席の不思木さんはスタイルが良い。

 いや、金髪褐色肌というギャルの手本のような容姿だけど……


 椅子に座り、スマホをいじる不思木さん。

 顔は言わずもがな。それにギャル特有と思われる化粧も……思いのほか感じられない。


 カーディガンの上からでも分かる胸の大きさ。てか、机に胸つきそうじゃね?

 前屈みってのもあるかもしれないけど……もしかして結構な巨乳なのか。


 そして短いスカート。

 先生らに注意されても、背中を見せた瞬間元に戻す。そんな光景は結構目にしている。

 ただ、風でも吹いたらマジでパンツが見えそうなそれは……色んな意味でマズい気がする。


 それに、そこから覗かせる褐色で細い足。

 やっぱり、いろんな意味で……


 あっ、ヤバ。不思木さんがこっちを……


「うん? ニヤリ」


 あぁ、最悪だ。


「なになに~? よっしー。アタシの事じっと見ちゃってさぁ」

「えっ? そそそっ、そんな事ないよ」


「本当かなぁ?」

「本当だって。そう、外見てたんだよ!」


「外……ねぇ……なんか結構視線感じてたんですけどぉ?」

「気のせいだって」


「なんか、上から下まで舐め回す様な視線だったんですけどぉ?」

「いやいや、本当に不思木さんの勘違……」

「ん~?」


 その瞬間、真正面にその姿を見せる様に、体の向きを変えた不思木さん。しかも前屈みになり俺を見上げる様な体勢は……明らかにマズかった。


 うっ、嘘だろ!?

 本来なら一番上までボタンを掛けているスクールシャツ。上2つ外しているだと? しかも首元のリボンが……ダルダルっ!?


 その結果、現れたのは……たわわな谷間だった。

 うおぉ、すげぇ胸がデカい。しかも右の胸にホクロあるのか…………はっ!!!


 一瞬、欲望のまま凝視しそうになった瞬間、辛うじて理性が勝る。谷間に目が行ったのはコンマ数秒。

 そうそうバレる訳……


「よっしー? バレてるよぉ?」


 バレてるっ!? いやいや、これは不思木さんの罠に違いない。いいか? 平静を装え。いいな?


「うっ、うん? 何が?」

「ふふっ。まぁ、よっしーが凝視する程魅力があるバストって考えると、自分でも嬉しいけどねぇ」

「なっ!」


 バレてるっ! 完全にバレてるっ!

 くっ、どうする? 認めるか? このまま白を切るか? ……認めたら、格好の話題になってしまう。だったら、このまま……


「ほくろ、どっちにあったぁ~?」

「そりゃ、み……あっ!」


 やっちまったぁぁ!


「にっしっしぃ。エッチだなぁ~よっしー」

「わっ、わざとじゃないよ」


「本当かなぁー?」

「本当だっ……うおっ!」


 その刹那、何を思ったのか不思木さんは……スカートを捲り上げる。そしてそれはもう際どいラインでユラユラさせる。


「こっちも興味あるでしょ~? ほらほら~」


 際どいラインに、露になる太もも。

 とんでもない刺激に、からかわれているとは知りつつも……一瞬にして顔が熱く火照り、鼻から何かが出てしまいそうになる。


「なっ、なっ……」

「冗談冗談。まぁ、よっしーが見たいなら続けるけどぉ?」


 くっ、くそ。なんて人だっ! まさかここまでして俺の反応を楽しもうとするなんて。

 けど……けど……


「色々とマズいんで、これ以上は勘弁してくださいー」

「そうなの~? 残念だなぁ。ふふっ」


 完全に負けました。



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