ヒロインに攻略されないと死ぬゾンビホラー乙女ゲーの攻略対象に転生したんだが!?

古森きり@『不遇王子が冷酷復讐者』配信中

プロット

『ヒロインに攻略されないともれなく死亡エンドのゾンビホラー乙女ゲームの攻略対象に転生したんだが!?』



【あらすじ】


ホラー好きの俺は手当たり次第にホラーモノに手を出していた。

最近面白いと思ったのは、乙女ゲームなのにゾンビホラーに特化したアプリゲーム『終わらない金曜日の夜』。

なんと、主人公が手に入れたパワードスーツが唯一の対抗策で、攻略対象たちはいかに主人公に媚を売って守ってもらうかを競うまさしくクソゲー。

その中で、一人謎にプライドが高く、裏切っては毎回死ぬ優男キャラがいた。

そう、なぜか今、鏡の前に映る——“俺”です。

いやいやいやいや、このキャラはまずい。

死亡フラグしかない。

だがここはクソゲーの世界。

「ヒロインに媚びれば大丈夫……大丈夫!?」


大丈夫であれ!




【登場人物】


高際たかぎわ義樹よしき

『終わらない金曜日の夜』通称『おわきん』の攻略対象の一人。

職業はモデル兼専門学校講師。

アプリアイコンを飾るメイン攻略対象だが、作中でしょっちゅう我が身可愛さに裏切ってゾンビ化したり、死亡したりする。

そのゾンビ化率と死亡率の高さがファンの間では「愚かすぎて愛しい」とすらされていっそ人気。



鬼武おにたけ千世花ちよか

『おわきん』の主人公にしてヒロイン。

ストーリー上、紅一点。

「男前すぎる」「おっぱいのついたイケメン」「ちよちゃん無双」「どうしてちよちゃんと結婚できないんだ」「ちよちゃんが一番イケメンじゃねーか」と評されるほど竹を割ったような性格と強さを誇る。



墨野すみや利嗣としつぐ

『おわきん』の攻略対象の一人。

元陸上自衛官で、現在は消防士。

休日に合コンキャンプに参加したところ、ゾンビパニックに巻き込まれてしまう。

「その筋肉見掛け倒しかよ!」「罵られて喜んでんじゃねぇ!」など、酷評の嵐だが「マッチョが怖くて泣いちゃうの可愛い」と一部のファンには大絶賛されている。



真嶋ましまたつる

『おわきん』の攻略対象の一人。

大学生。

しっかり者の忠犬。

真面目すぎるが故のポンコツっぷりで、様々な死亡フラグを呼び寄せる天才トラブルメーカー。

「だが可愛いので許す」「ヒロインがちよちゃんでなきゃ死んでる」「実はこいつが真のヒロインなのでは?」などと評される。




【ストーリー】


・階段から滑り落ちたら、目の前は薄暗いビルの中。

 ふと、鏡に映った男の姿はクソゲーと名高いホラー乙女ゲーム『終わらない金曜日』通称『おわきん』の登場人物、高際義樹よしきだった。

 この高際義樹というキャラ、攻略対象でありながら我が身可愛さに主人公を裏切りまくる。

 主人公に守ってもらわねば死亡ルートが山積という乙女ゲーとは思えない攻略対象の死亡率の高さを誇る『おわきん』でもっとも死ぬ男、それが高際義樹。


・見たところゲームはスタートして間もない様子。

 生き延びるためには主人公千代花に守ってもらわなければいけない。

 一刻も早く合流するべく、ゾンビの蔓延るビルの中を進む。

 ※なお、割と何度か死にかける。


・主人公との合流地点である、二階の食堂にたどり着き、疲弊した心身を休める義樹。

 しかし、心細さがパネェ。

 このままでは心が死にそう、と思った時、主人公千代花がパワードスーツを着用状態で現れる。

 無事の合流に泣いちゃう義樹。


・ここからは他の攻略対象を回収し、千代花に逆ハーレムを作り上げてもらって閉鎖された区画からの脱出をしなければならない。

なお、細かい設定は最後爆発してうやむやにされるので深く考えてはいけない。これ大事。


・ゾンビの襲撃。

千代花無双。


・3日目、キャンプ地に到着。

すでに人間が食い荒らされているが、クーラーボックスの肉や野菜はかろうじて無事。

バーベキューをして、心の安寧をやや取り戻す。


・夜、見張りをする千代花に自分達ばかり寝ているわけにはいかないからと話しかけて話をする。

正義感の強い千代花に、ガチ惚れしてきる義樹。


利嗣としつぐが襲われる。

怪我をして、歩くのが大変そうだ。

ここで千代花には選択肢が出ている。

見捨てるか、連れていくか。

義樹は「見捨てる」を推奨する役目。

樹は「見捨てない」を推奨する役目。

千代花の心を思い、義樹は「見捨てない」を推奨した。


・利嗣を抱えながら、区画脱出の中継地点に到着した。

食糧も残りわずかとなり、一度食糧を求めてキャンプ村の管理室に寄ることになる。

そこで今度はたつるが腕に怪我をする。

幸い二人とも管理室の救急箱で応急処置はできたが、より一層動きが取りづらくなる。


・フラストレーションの溜まった利嗣と逹が「千代花が守ってくれなかったせいだ」と不満をぶつけ始める。

相手は17歳の女の子。

確かに強いスーツは着ているけれど、彼女は戦いの素人であり同じく巻き込まれた側だ、と二人を説得する義樹。


・関係が悪化した状態で、ようやく区画の端に到着した。

フェンスの向こうに現れたのは軍人のようなやつら。

銃を向けられ、発砲される。


・千代花がフェンスに突撃して、アーマーの爪でフェンスを引き裂き軍人のような者たちを一人一人制圧していく。

最終的に現れた一人の男が語ったのは、義樹も知らない今回のゾンビ事件の真相だった。


・千代花に「隙を作るから逃げて」と言われて、義樹は怪我をした二人と共に区画からの脱出に成功する。

利嗣と達は生還を喜ぶが、義樹は二人を安全なところに届けたあと区画へと戻る。

媚びた以上最後まで媚び続けることにした。


おわり。


原案:Twitterの相互さんのある日の夢。

※書いていい許可はいただいています。

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