第11話 隼人の友達

翌日。今日も変わらず朝から登校。

朝から中傷ばっかりの通知を見てため息をついた。

『花菜ちゃん可愛そう、最低』

は?何?私何も言ってないんだけど。


学校に行くと、後ろから3人組が近づいてきて、

「マジでイラつく。キモイんだけど。」

―え?今私に言った?

あ、多分私に言ったんだよね。

根拠なんてない。疑心暗鬼かもしれない、私にいったわけじゃないかもしれないけど、3人が入って行った教室。あれは花奈ちゃんのクラス。

話したことすらないけど、あれはきっと花菜ちゃんの友達。

「りあ、聞いたよ!大丈夫?」

もう『聞いた』って言葉聞くだけで嫌になる。

まだ朝なのに今日で6回目なんだけど。

心配してるって言うより面白がってる。

噂ってこんなに早く広まるの。

誰が何を言ってるのかさっぱりわからないけど気に食わない。

何かあるなら直接言いなよ。

見てないところで悪口言いふらして、同調してくれる仲間増やして、ひとりじゃ何も出来ない奴が 1 番嫌い。

自分の席に戻ってまたため息をついた。

最近ずっとため息ばっかだ。

席替えしたばかりの窓側の席に座って外を眺める。

この席って結構落ち着く。

「りあちゃん、」

「元気ない?」

早朝が終わって休み時間に入ると、後ろの席の心結ちゃんが話しかけてきた。

心結ちゃんは、バレー部が同じで、バレー経験なしで入った者同士結構仲良くしている。それに、心優と同じ名前。

普段一緒にいることはあまりないけど、優しくて繊細で誰よりも周りのことよく見てる子。多分私の事 1 番わかってくれてると思う。

「全然元気だよ!!どうして?」

いつもの様に明るく、笑った答えたのに。確かに『元気だよ』は違う。

私、意外と少しのことでも傷つくし気にしちゃうタイプだから。

「あのさ、花菜ちゃんから聞いたよ?でも私はりあちゃんの味方だからね。」

ねぇ、どうして分かっちゃうの?

いつも一緒にいる心優でも気づいてないのに。

基本的に私は悩むのが嫌いで、なんでも自分だけで解決するようにしている。

何があっても、誰にも相談なんてしない。

なのに、心結ちゃんには、『こんなことがあってさ...』、『助けて』って言いたくなる。泣きそうになった。必死で堪えようとして、窓の外を見た。それでも涙は溢れてくる。

あ、ダメだ。泣いちゃう。

結局全ては話せなかったけど、心結ちゃんは優しく受け止めてくれた。

泣いてる私の側で、静かにずっと話を聞いてくれた。

話終わったあと、心結ちゃんは

「話聞くことしか出来なくてごめんね。」

って悲しそうに言ってたけど、私は気持ちが少し楽になったよ。

私の事こんなにわかってくれて信じてくれている人がいるのは本当に救われた。

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