へぇ、不思議な夢だなぁー⇒ん? もしかして⇒ウルウルウル……!

この小説は実に良く出来た作品でした。小学生がそんな上から目線で言うこともないだろうにってことですが、本当にそうです。

キャッチコピーには「夢の意味を知ったとき あなたはきっと涙する」とありますが、これを見ただけでは、「あ、そうなんだなぁ」と思うだけ。

で、物語が始まります。
「サラサラと砂が落ちていく。ぼんやりとした心地の中、夢を見ていることだけはわかった。白い空間。その中にひとつ置かれた紅い砂の小さな砂時計。不思議な夢だと、ただそれだけ思った」
こういう出だしになってます。
へぇ、そうなんだ。確かに不思議な夢だなぁ。とは思いますね。主人公と同じ気持ち。

「また同じ夢を見た。砂は半分ほど落ちていた。よく見ると、砂時計に「4DAYS」と文字が刻まれていた。4日後に何かあるのだろうか。考えてみたがわからなかった」
このタイムは何なんだ? 読者が一番そう思いました。ここで、気づいたのが「紅い砂」これ、もしかしたら血の色なんじゃないかってこと。それが何かそういう感じのタイムリミットなんじゃないのかなぁと思いました。

「また同じ夢を見た。僕の手には砂時計が乗っていた。砂時計の砂はついに落ち切った。その瞬間、文字は「1DAYS」から「0DAYS」へと変わって粉々に割れた」
落ち切って、0DAYS。そして、粉々に割れる。ここであぁ? ってなりました。さっきのところでちょっとそうかなってのはつかんだので、タイムリミットの終わりかなぁと。でも、何が終わったのかは分かりませんでした。

「僕が目を覚ますと、ちょうど0時を回ったところだった。僕の脳裏にはなぜか半年前に別れた彼女の顔が浮かんでいて、僕の頬には大粒の涙が流れていた。
『好きな人ができたの』
半年前、彼女はLINEでそれだけ言った……」
これで、ちょっと分かってきます。あぁ、そういうことか、となんとな~くそう思います。

そして、涙のラスト。まあ、そりゃあここまでは言えないんですけど。でもね、
本当にそういうことなのかぁって分かりました。そして、全ての謎が解けた瞬間、こみ上げてくるものがあります。急に切なくなってくる。あぁ、そういうことだったんだなぁ……と思って。

このレビューでは結局何を伝えたいのか。
話の流れがめちゃめちゃ上手いんです!!!!
『へぇ、不思議な夢だなぁー⇒ん? もしかして⇒ウルウルウル……!』
ざっくり言うとこんな感じに夢の謎が解けていきます。本当に、謎が解けた途端ウルウルウルウル。映画化希望ですね。
僕の中では一番の作品でした。

マジで、絶対読んでみてください!!!!そして、彼女と主人公の切ない結末に浸ってみてください!