きみのためなら、茨を編むよ

きみのためなら、茨を編むよ

手に傷ができたって、血が滲んだって構いやしないよ


きみが健やかであれるのならば

わたしはどうなったって構いやしないんだよ


例えばきみが、十二人の王子のように白鳥になってしまったって

わたしはきみだけを愛し続ける自信があるけれども


きみは自分が白鳥になってしまったことよりも

自分の姿が変わったことで悲しむ人がいることを悲しむだろうから


茨を柔らかくするために、茨を足で踏んだって

ずっと誰とも話をできなくたって

魔女だと後ろ指を刺されたって、石を投げられたって

きみが笑っていられるならば、わたしは構いやしないんだよ


ねえきみ、だからわたしは、

きみのためなら、茨を編むよ

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