第23話 おにぃさんなしでは生きていけない その3

「ふむ、今日もいい朝だな」


 ただのベッドが、いつの間にか大きなハート型ベッドになっていたのは、なぜだかわからんがな。


 今日はミリカちゃんのレベル上げと解毒薬の薬草を探すことにしよう。

 

 さて、そろそろ起きるか、ふむ、左手から感じるこの感触は、この小ぶりな胸、ミリカちゃんだな。もみもみ、おおきくなーれ、おおきくなーれ、ほどよく揉んでやった。よし、次は右手で、むむ、乳がないだと、俺の右手が空ぶったようだ。エスカーナが側にいない。俺より先に目覚めたようだ。


「おはようございます。竜也さん、えへへ、どうです。似合いますか? 」


 すでにエスカーナは身支度を整えていた。いつもの白のワンピースではなく、ミリカちゃんと同じ学生服に着替えていた。よーく似合ってはいるのだか、どうやってその制服を手に入れたのか、不思議ではあるがな。きっとミリカちゃんに対抗するために、どこぞのルートを使って手に入れたのだろう。俺の性剣が微弱だか反応をしめした。


⭐︎⭐︎⭐︎


「おおおお、皆の者、聖天使様がおっしゃった。ハート型のラブリーなベッドと学生服を献上しろと、すぐにでも用意するのじゃ」


 どこかの白髭をはやした聖天使教会の偉い教祖の爺さんが、聖天使様からそのような神託を受けたそうだ。天使様がまさか、そんな事をおっしゃるなんてありえないのではと、一部の信者からドン引きされて、爺さんが色ボケしてるんじゃないかと疑われたらしい。


⭐︎⭐︎⭐︎


 話は変わるが、昨日のおかっぱ頭のオッサンに褒められた事が性剣には、ショックだったのだろう。エスカーナと制服ミリカちゃんというレアものを相手にしても性剣がLV2にならなかったのだ。性剣は、かなり落ち込んで重症のようだ。おれの瞳は深い悲しみに満ちた。もし発動していればエスカーナも今頃、ミリカちゃんのようにこうなっていたはずだ。こんな感じでな。


「あ……っ、うっ……」


 ミリカちゃんは、まだ動けそうにないようだ。ミリカちゃんの着ている学生服が俺の聖液で点々と染められていた。また学生服とブラが中途半端に脱がされているせいか、小ぶりな胸がチラっとだけ見えている。白いショーツが半脱ぎ状態で、目の光が喪失している。これは犯罪臭がするな。


 朝の日課のラジオ体操でもはじめるか。


「いち、にぃ、おい、エスカーナ、何をしてるんだ?」


 ベッドの上に座りながら天界から送られてきた天使専用スマホで遊んでいるようだ。わざと胸チラして、制服から谷間が見えるようにしている。さらにちらっ、な、なんだと黒だと? エスカーナは黒のショーツを見せつけながら、俺を誘惑している。どこかのビッチJKのようだ。俺の性剣がピクピクと反応をしめした。そういえば俺のスマホは、鞄の中にあって聖剣になってしまったな。


「ああ、これですね。地球で大人気のスマホゲームらしいですよ、私、このゲームではかなり有名なプレイヤーのようです」


「ほう、どんなゲームだ。このキャラクター、俺に似てないか? 」


「キャラメイクが売りのゲームですからね」


「ほー、すごいな。アバターまであるのか、ダンボールにスーツ、それにステッキーか、どこかで見たな」


「このゲームでコーディネートしたんですよ。よくできてますよね。えい、えいっと、えへへ」


「おいおい、なにしてんだ?」


 スマホの小さな画面で、俺にそっくりな、リュウヤというキャラクターが、ダンジョンの中を歩いていた。すると、どこかのパーティーがモンスターとエンカウントしているようだった。リュウヤが加速した。なぜかモンスターでなく、巨乳の神官キャラを聖剣エスカーナにそっくりな剣で斬殺していた、さらにスレンダー美女の戦士キャラを魔法で爆殺。側にいたレベルの低いロリエルフはスルー? さらに猫耳がついたあどけない少女はスルー? イケメンにごっつい野郎はどうだ、斬殺しはじめたぞ。童貞臭い少年キャラは、スルー? おいおい、人が集まってきたぞ。なんてこった、リュウヤのネームが血の色のように真っ赤だぞ。しかも点滅しだしたじゃないか。


 敵? を倒したことで必殺技ゲージとやらが貯まったのか。この人数が相手だと流石に無理だろう。


「ぱぱっと、ターゲット完了です、えへへ」


 ま、まじか。ターゲットが見事に区分されている。必殺技が発動し、ロリとショタキャラ以外が見事に殺されてしまったぞ。


「さて、帰還アイテムをっと、レベルが5も上がりましたよ、えへへ」


「なぁ、これって対人ゲームなのか? 」


「違いますよ? ダンジョンRPGですよ? そういえば、いつもの人が最近、見なくなりましたね。金髪の女騎士さんで、確か、クッコロさんでしたっけ、いつも、私に挑んでくる人なんですけど、罠アイテムにいつも引っかかって、面白い人なんですけどね」


「そうか、とりあえず、キャラメイクしなおそうな」


「いやですよ。リュウヤを消すなんて、リュウヤは私と竜也さんの愛の結晶みたいなものですよ? それにこのスマホを奪おうとしてもダメですよ。10分後には持ち主に戻るようになってるんですから、そもそも天使じゃないと扱えませんからね、えへへ」


 早くなんとかしないと、これはきっとMMO掲示板とやらでリュウヤ本人を特定しましたm9(^Д^)


 で炎上するんじゃないのか。


 うおお、最悪だ。


 


 


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