入浴

さすが金持ち…というか広すぎやしないか?俺の目の前には、無駄に広いシャワールームに真っ黒いジャグジーバスがど、どんっ!と設置されていた。俺は、使い勝手がわからず戸惑っていた。その時シャワールームの曇り硝子張りの引き戸式の扉が勢いよくガラガラと音を鳴らしながら開けられた、そこには、篠宮がいた。

「何してんだ?」

「お、お前こそなんで入って来たんだよ!」

俺は、いきなりの事で動揺してしまった為にタオルで体を隠した。

「いや…俺はシャンプーとか使うならこれを使えって言いに来ただけだ…ていうかなんで体を隠した?」

「驚いてつい隠したんだよ!」

くそ…柄にもなくびっくりしちまったじゃねえか!普通一言声をかけて入って来るだろ!?

「クックッ…おまっ女みてぇ」

こいつ!なに笑ってやがるんだよ!

「仕方ねぇだろ!?驚いちまったんだからよぉ!!」

「はいはい…シャンプーとコンディショナーはあれを使ってボディーソープはあれだから。じゃあ俺は今度こそ夜ご飯の用意するから」

そう言って篠宮は、風呂場から出ていった、俺は一人タオルを未だに持ったまま立ち尽くしていたのだった。

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