第28話:ハウリング・ロア怒りの咆哮 未完成稿

正洋が校舎と学校の間において、実験と称した奇声を上げた当日の夜である。現場で居合わせた面々の初対面とは挨拶はすませ、一応として連絡先を交換したものもいるようである。その日、咲子が遅めのお風呂に入り、自室にもどり後は雑誌でも読みながら眠気を待とうかとした頃合いであった。時間の進行を意識せず、スマートフォンの画面を注視し、手慰めとして操作していたころだった。時間として22時を過ぎたころ合い、LINEの着信ポップアップが点く。咲子は無心の反応で着着信を確認する。メッセージだ。


咲子(お、正洋君だ、なんだろこれ。QRコード?まだあるよ、更新した?なんだろ?別にいいよ、見ても。)


すでにスマートフォン内にQRコードは保存されている、LINEの友達追加機能でQRコード内のリンクを読み込みEVERNORTの共有リンクを開く。


咲子(さてさて、何かかわったかな?と、お、一番最初か)


EVERYNORTのページ内にはテキストと添付ファイルが存在していた。更新された情報はページ内の冒頭にあった。


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2023年5月4日:ハウリング・ロア 未完成稿 更新

*読んでもらい、感想をいただけたら幸です。

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テキストの下にはPDFが添付されており、咲子はほんの数舜考えてからPDFファイルを開く。

内容に注意を払う、文字数フォントは10.5であり、スマートフォンで読むのは少々難儀に感じた。



咲子(これ、・・・なんだ。また論文?まあ論文か、どれどれ、ハウリング・ロア?怒りの?咆哮?なんだろこれ。)


咲子の精神は添付されたPDFに注意が向き内容の理解に努めた。

ページ数はおおよそ10ページ前後であり、咲子は15分少々で読むことが出来た。


咲子(これ、未完成なの?うっわぁEXCELで作った表もある、今日の分、入力済みかぁ。ええ、これ未完成なの。ああ、最後の部分は空欄だぁ。ええと、なにこれ。なんか面白いけど。

お、QRコードもある。どれどれ。)


PDFデータ内にはQRコードも存在しており、咲子は読み込むために、タブレットの読み取り機能を用いてアクセスをする。開かれたページはEVERYNORTの共有リンクでありノート内にはテキストとYOUTUBEのリンクは二つ添付されている。それぞれのリンク前には、発声ないようが記載されており、動画のタイトルをあらわしているかのようであった。


咲子(ええと、クリック・・・うーん、いいや、えい!)


リンクをクリックするとYOUTUBEが起動する。画面の中には半裸の正洋がカメラ前でぼそぼそと発言しており、直後に大音量が響く。


咲子(うわ、これ今日とった動画だ。うーん、実際動画越しでみるとこんな感じかぁ、ええ、これあと38回するの?)


動画を見て咲子は、タブレットを抱えたま寝転がる。しばし、天井をみつめて思案する。


咲子(正洋くん、なんでこんなことしてるんだろう。楽しいのかな。でも、読んでおもしろかった。完成してないんだよね、これ。あと残りの分の動画を撮影して、PDFに反映させれば完成か、あと、なんだ最後の節「ハウリング・ロア」の部分空白だ。ここを埋めれば完成だなぁ)


咲子はうつぶせになり、タブレットでスマートフォンに保存しているQR画像を読み込む、そしてタブレットでPDFを開いて再読をはじめたのであった。


咲子(ふむ、ふむもうすこし真面目に読みますかぁ。どうしよ、明日から動画撮るのかな。時間かかるっていうし、どうしよ、付き合おうかな。その後、研究会寄ってもいいな。その前に撮影後の正洋君とおしゃべりしてもまあ、楽しいし。


うつぶせの咲子はPDFを読み進める。時間としておおよそ30分のかけて理解に努めたのであった。



その日の夜、正洋からのLINEを受け取ったのは咲子だけではない、立花律子、手塚美子、影山、大越理恵もそれぞれ正洋の作成したPDFを読みそれぞれの感想を抱いていた。


律子(うーん、こうなったかぁ。二回読んじゃった、なるほど、自分のインタビューを掲載ときましたか、書いてるの自分なんだけどな、しかし動画。まだ二つか。これ40個揃えるつもり。いや、毎回裸になるの?けっこう良い体だけどなぁ。・・・なにやるつもりだろこの人。咲子は付き合ってもいいってメッセージきたけど。私はどうしよ。まあ、完成したらもう一回よむかなぁ。結構、これ、おもしろい。ラノベとはなんか違う。まあ、よし。頭良くなった気がする)


美子は、咲子達以外の友達の女子と電話で話している。話題の中で正洋の事がでている。


美子「そう、それで石やん、データ送ってきたよ、笑う。真面目かよ!内容、いいよこれ。なんか真面目なんだけどさぁ、面白いことはいいけど。まだ未完成かなあ。いい体してますは石やん。でも少しでた腹、へっこまねえのこれ、咲子、すこし付き合うかもだって。あたし?ああ完成したら全部の動画見てもいいや、真面目にやってんの笑う」


影山としてその性癖からか冷静に正洋について分析を行っていた。


影山(なるほどね、こういう才能か。論文、うん、たしかに二ッチ。文章もうまい、構成もわかった。やりたいことはわかる。読んで、なんか頭がすっきりする感じがする。完成したら13ページぐらいだな。なるほど、これ売れるんじゃないか?実本を制作するのはリスクが高いな。電子書籍とかいけるか。なんか個人でも電子書籍でだせたはず。しかし、これは、いいな、完成したら相当できのいい、なんだこれ?そう論文ができるんじゃいか。いいね。まだ15歳だろ。いい二ッチ。論文二ッチかぁ)


大越は年下の下級生の作成した内容に関心をし、かつ自分にできるか考えていた。


理恵(なるほどね、論文を書いてるっていうけど、たしかにこれは読めるわね。他の2稿もなんだろう、これビラの拡散効果に、市街地攻略、か。なるほどやりたいことはわかる。すごいな、ちゃんと完成させるの。うーん、いろいろ珍しいことには食指のびるけど、これ私にできるかなぁ。うんうん、大したもんだね。)


三年生である南雲久美も大越からの連絡でQRコードは入手している。連絡で正洋という少年の更新の通知をしり、リンク内のPDFは一通り読み終えた。


久美(うん、いい人材、影山君すきそう。でも最新昨のハウリング・ロア?これすごい怒声だけど周囲の目とか気にならないかしら。確かにここはあまり人気がないけど、うーん、裸かぁ。まあ説明読んだらわかるけどね。あまり、奇人変人あつかいされないか心配。まだ若いんだし。)


その日の夜のうちに日常研究会の面々は正洋という少年の発生させた形を読み込み、理解し、それぞれの感想を抱いたのであった。


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