第3話:部活動見学2

翌日も午前は通常授業、午後として部活動見学に時間を割かれている。咲子と律子として前日と同じく待ち合わせをし

視て回ることにした。本日は体育会系は早々に切り上げて、文科系部を見て回ることにしている。昨日の下校途中にアピタテラスによってアイスクリームを食べている時に二人で決めていた。今のところ、咲子と律子は二人して見て回っている、他にも友達がいないわけではないけれど、他の娘たちもそれそれ同伴するグループで視て回っていることだし、他のクラスメイトとも仲良くなっておきたい、しかし今としては部活動の見学といずれかに入部するかどうかに思考が回っていた。入学したばかり、今は目先の事に頭が占められているのだ。


午前の授業は今のところ中学の復習はまだ続いている、咲子と律子としても問題なく着いていけている。保有している、教科書は事前に通して読んでおくのがいいというので、この先の事もある事であり、暇つぶしには目を通している。お昼を近くの席のお互い声をかけられるクラスメイトと一緒に食べ、先日の部活動見学の話で盛り上がった。体育会系を希望している娘はいて、咲子としてはあまり乗り気ではなかったが、一緒にの誘いの言葉を聞いても軽く受け流しいてた。3日間よく見て回ろうという意向は伝えてある、午後も隣のクラスの律子とみて回るとしてはなし昼食は終わった。


午後になり部活動見学の時間である。学内ではそのほかの生徒もどこの部活を見て回るかであわただしい。咲子は律子と自身の教室前で待ち合わせをし見て回ることにした。向かう先は文科系の部室がある棟である。配られた用紙を見ると活動している部活の一覧が記載されている。「美術部」「手芸部」「科学部」「音楽部」「無線部」「アニメ部」なんてのもある。他には「囲碁同好会」「料理研究会」「将棋研究会」「日常研究会」エトセトラとあり、部員の定数に至っていないが一応として活動を認められているものも多数あった。


咲子(他の部と愛好会は活動内容わかるけど、「日常研究会」ってなんだろう。一応チェックしとこう)

咲子「律子、どの部から見て回る?なるだけなら活動内容体験できるほうがいいかなあ」

律子「昨日はそれで、けっこう時間とられたけどね。あと勧誘もよくされる、でもいいよ、美術部なんか、何かやらせてくれそうだけど、絵は下手だしなぁ」

咲子「まずは美術部ね、それから手芸部いってみようか。愛好会もみてまわろうよ。日常研究会ってなにするんだろ」

律子「ああ、うん他の愛好会は大体活動内容書いてあるけど、日常研究会はね。この用紙には日常の面白いこと、はやりすたりいわゆる風俗の研究、ならびに非日常も含めてって書いてあるけどね。

咲子「非日常ってなんだろ、不思議な事」

律子「うーん、怪奇現象とかのことなのかなぁ」

咲子「はやりすたりってのはいいなぁ、流行を勉強するってことでしょ?楽しそう」

律子「うん、見学したときに聞いてみようね。でも愛好会か」

咲子「楽しければいいよ、あと気楽に充実したいかなぁ、あまりせわしくしたくないや」

律子「咲子はそうかもね、じゃ、部室にはいろうか、まずは手芸部からでいい?」


歩きながら話すふたりとしてすでに文科部の部室が連れ成る棟に到着していた、すでに多数の一年の生徒が廊下にたむろしている。説明のために準備に追われている上級生もいるようだ。手芸部は家庭科室で活動しているようで、家庭科室の扉に張り出されている用紙には説明予定としての時間が書かれている。30分程度の説明のようである。途中退席も自由そうだ、すでに説明が行われ始めたようであり、二人として室内に入った。家庭科室には、大きめの机が並んでおり、上には手芸部としての活動としての作品が並べられている。ミシンも何台かおかれており、すでに動かしている生徒がいる。男子生徒のようだ、少し背が高くて痩身だ。手芸部部長は女性で手芸部としての活動の説明をしている。途中からの参加であったが大体の活動内容はわかる。

 部の活動として、手芸全般を取り扱っているとのこと。パッチワークやぬいぐるみ、アイロンビーンズなど興味を持った手芸全般を部の活動を通して制作し、部室内に展示、部のメンバーで感想会、文化祭では製作品を一般公開もしている、もちろん持ち帰ることもできるし、ある程度は部として管理してもらうこともできる。昨年は家庭科室の半分をつかって製作品を展示し来訪者に投票もしてもらっていたらしい。活動日程も週3回程度であり、希望があれば毎日部室を使うこともできるらしい。自身の作品を作ることに興味がある人はぜひとも取っている。


咲子(なんだか、楽しそう。でもへたくそなもの見せるのはいやだな)


部長の生徒が、説明として展示されている作品の説明をしている。ぬいぐるみ、パッチワーク、アイロンビーンズ、刺繍、ぬいぐるみ、モザイクトートバッグ、フォトフレーム。制作できる作品は色々のようだ。そんなときに、ミシンを動かしていた男子生徒の声が聞こえる。しばらく一人で動かしていたようであるが、近くにいた手芸部部員に話している。


男子生徒「どうですか?作ってみました、うまくできたかな」

部員「ああ、うまいね巾着?よくこんなに短い時間でできたね、何かやっていたの?」

男子生徒「自宅が人形店なんです、一応人形用の衣装も作るので、あの木工とかもできるんですか?」

部員「木工?ええ、ああいいんじゃない、道具は使えるよ」

男子生徒「どうしようかなぁ。一応自宅でもできるけど、みんなで作品作って感想聞くのもいいなあ」

部員「どんなものつくりたいの?裁縫もできるみたいだけど」

男子生徒「雛人形がつくりたいんです、ちゃんとしたものも含めて自分だけの人形が。やっぱり木工になっちゃうかな。

マトリョーシカも興味あるなあ」

部員「雛人形・・ああ、そうなの、本格的なものとか?作れるのかなぁ」

男子生徒「やっぱり変ですよね、雛人形とか、おかしいですか?」

部員「え?いやそんなことはないよ、入部したての頃はまだそんなにうまくできる子はいないからね。いいねえ、君、即戦力かも。名前はなんていうの?」

男子生徒「五条です。五条悟、よろしくお願いします。どうしようかな・・・」


咲子(五条悟君か・・背も高いし細身で気がよわそう。でも雛人形を作りたいとかなんじゃらほい。マトリョーシカってなんだっけ・・・律子は、ええと展示品みてる、か)

咲子「律子、どう?」

と小声で聞くと

律子「うん、活動をとおして色々制作しているね、結構時間をかけているのもありそう、私としてはありかな」

咲子「うむ、確かに集中して作ると楽しそうかもですじゃ、保留ということで次いく」

律子「いいよ、なんかミシンのうまい人もいるね」

咲子「雛人形がつくりたいんだって、その辺は変わっているけどね、それじゃ次いこうか、ところで律子、マトリョーシカってなんだっけ」



その日の午後は、残りの部の活動を見て回ることにした。明日は同好会。目立った部としては、「美術部」「音楽部」「科学部」「無線部」などである。咲子と律子として隣の教室として美術室で説明を行っている「美術部」を見学することにした。すでに先に入った見学者への説明が行われており、途中参加である。室内では、部長と思われる女子生徒が説明を行っている。隣にはつなぎを着た男子生徒もたっており、どうやら部で着用できるものであるようだ。裁縫部と同じくとして製作作品の展示が行われている。水彩画や油絵、デッサンなど展示されている。学年ごとに分けての展示あり、上級生ほど巧い作品が多いように思えた。


部長「ですから、美術部では初心者でもデッサンの仕方から、道具の使い方まで指導しながら年間を通して作品を作っていきます。秋の文化祭にはそれぞれの作品を展示しておりますので、なるだけなら間に合うようにしてほしいです。活動としては美術室で行います。基本的に毎日開放してますから、好きな日時に来てもいいですよ」


質問がでる。別のクラスの男子生徒だ。


男子生徒「参加は自由なんですよね、やっぱ幽霊部員とかもいたりするんですか」

部長「そうね、たしかに。制作する上のでやる気というか根気が長く続かなかったり、気まぐれで参加のおろそかな部員もいます。そういう意味ではいますよ、幽霊部員」


その他にも質問が飛び、答える部長。質問を聞かずに、壁に展示されている作品を視ている生徒に声をかける部員らしい生徒もいる。活動としては自主性がありそうだ。室内では咲子と律子はしばしの距離を置いてそれぞれ展示作品を見たり、部長の説明をきいたたりしている。律子は油絵を視ている時に声をかけられたようで、やりとりしている。どちらかというとアニメなどは好きだが、美術作品というのはどうなのだろうか、あまり盛り上がっている様子はない。部の説明としては、自主的な展示の観覧と求められる形での部長の説明があるようだ。どちらかというと親切な応対であるように咲子は感じた。


咲子(自主性に応じて作品制作かぁ、文化祭って秋だよね。間に合わせたりするのめんどくさそう、幽霊部員もいそうだし。そこまで強制じゃないかな)


すこしして律子が腕をつついて話しかける。、


律子「咲子、そろそろ次行こうか。」


その後も「化学部」「音楽部」「無線部」「文芸部」「アニメ部」等があり視て回った。


化学部では化学室においての説明であり、一人、もしくは数名でグループを作り考えたテーマに基づいて実験、時期を見ての発表といった一年のおおよその流れの解説と、壁紙にこれまでの実験結果が貼られていた。音楽部では音楽室で、スケジュールに沿って実演を含めた演奏。それぞれの所持している楽器の展示。年間スケジュールに向けた練習風景のVTRなどがながされていた。大会に向けて練習にはげむようで、幽霊部員はいこごちが悪そうな雰囲気だ。文芸部はコンピューター室での説明だり、部室とは異なるようであった。主に創作活動をし、それぞれの作品の評論。まとめた文芸誌などの発表をしているようだ。正洋が昨日立ち寄ったのはこちらだろう。長机の置かれた試し読み用の過去の冊子を読む限りでは一般小説、詩、俳句などが載せられており。彼の筆記して言う内容に近いものはないように思えた。


咲子(石坂君は実験結果の発表ならどちらかというと化学部なのかなぁ、ここってアニメ系とは違いそう)


無線部では、無線部室があり、美術室などとくらべて敷地は広くない者の無線機など揃えており、どうも一年を通して免許のための勉強や競技としてのコンテストに参加する部活のようで、思いのほか真面目な雰囲気であった。

アニメ部では、特に用途としての教室ではなく、教室よりも手狭な部室であった。壁には本棚が設置されており、新旧の漫画が揃えてある。また、部員が描いたと思われるイラストも展示されており、巧いものもあれば下手なものの展示されていた。どうも、作品発表というか目的に沿った活動という趣向は強くないく。文化祭での一部のコスプレ活動やイラスト書き、アニメのライブラリの寄せあいの趣向が感じられる。部員は男子生徒が多く。女子生徒は少ない。上級生の女子部員として律子に近い感じはする。


アニメ部の部室の隅で咲子と律子が会話をする


咲子「どう。アニメ部」

律子「うん、ライブラリがあるのはいいかな。でも、端末はそんなにないみたい。イラストとかってあんまり真面目じゃないね」「でも、まあ。なんかけだるい雰囲気は好きだけど。男子がおおいかなぁ」

咲子「やっぱり?なんか持ち上げられそうな感じがする」


咲子と律子として、その容姿は派手さとはいえなかったが、あまり自身の容姿に気おくれをかんじたことはない。両親からは可愛いと言われて育ったものだ。といってもどちらかというと二人ともオタク気質には理解がある方でこれまでの友達からは意外と取られている時もある。


咲子「どうしようか。今日」

律子「うん、文科部は大体こんな感じかな。回れてないところも。資料だけもらって帰ろうかな」

咲子「明日もあるけど」

律子「と、なると同好会かなあ。明日残った時間で感想会しようか」

咲子「すんべ、すんべそれじゃ二手に分けて回れなかったところも資料だけでももらってこようか」


その日は二人として、見て回れなかった同好会を含めての活動資料をもらいに別れたのであった。

咲子として同好会の活動している部室を回る。「囲碁同好会」「料理研究会」「将棋研究会」「日常研究会」など手早く回り資料だけいただいて行く。本日は昨日よろしくアピタテラスによってクレープを食べに行く予定だった。「日常研究会」という廊下の一番奥の部室に入ったときである。部室の扉の前には「日常研究会」と書いて張り紙が貼ってある。部員募集中!とも書かれている。


咲子「こんにちは、資料いただいていいですか?」


部室内には部員と思われる学生だけなのか、暇を持て余しているように思えた。

部長と思われる。細身の男子生徒が口を開く


部長「お、きたね。見学。説明聞いていってよ」

咲子「すみません、今日は資料だけ」


部長「そうなの?簡単な活動内容ぐらい話すよ」

咲子「そうですかぁ?ええと、どんな活動している部なんですか?」


少々、大仰なポーズをとって咲子は聞いてみた。


部長「うん、よく聞いてくれた。この部ではいわゆる日常につきそうものの研究、と調査をしている。

といっても、そんなに小難しくないよ。簡単に言うと、流行を追ったり。日常の基礎知識を勉強したり・・・」


咲子「流行を追う?って?」


部長「まあ、部としての活動は認められてなくても少しは活動費でるからね。それを使っての活動。雑誌買ったり。実際にやってみたり。他の部にお願いして、短い間活動に参加したりもする」


咲子「応援にいくんですか?」


部長「応援とは違う。周知のための体験活動みたいな感じ。断られる時期もあるけどね。他には非日常の研究」


咲子「非日常? SFとか?」


部長「ちょっと違う。いうなれば一般知識としてはあまりメジャーじゃない分野、いうなればニッチ分野の研究とか非日常体験をしてみたりとか」


咲子「おおー!!なるほど。例えばって。すみません今日は資料だけだった。


部長「明日もあるけどね。まあ来たらもう少し説明するよ」


咲子「はい。それじゃまた明日」


日常研究会のA4の用紙に印刷された資料をいただいて部室を後にしたのであった。律子とはこのあと。街に行ってクレープを食べて帰る予定だ。十分に感じるほどに遊びたいが。お小遣いだけでは心もとない。二人としてアルバイトの検討もかねて帰宅の路につくのであった。


咲子「非日常ってなんだろ、まあニッチとか言ってたし珍しいこととかか。うーん体験かぁ。珍しいのはおもしろそうだけどなぁ」

律子「ああ、同好会ね。変わったことしてるところおおそう。」

咲子「楽しんですごすなら、ありかもねーバイトもしたいし、明日は同好会みてまわろうか」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る