第2話

 私はその日から、毎日学校帰りに文房具コーナーに寄るようになった。


 「今日は道に可愛い小さな花が咲いていた」

 「いいですね!」

 「雲の上に乗る夢を見た」

 「どんな感触でしたか?」


 毎日現れるあの綺麗な字に返事を書くのが日課になっていたのだ。


 書いている人は誰なのだろう。どんな人なのだろう。


 年齢は? 職業は? 容姿は?


 気が付けば私はその人のことが気になり始めていた。

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