第3話 弟視点
かつて、ぼくは王子様だった。
平和な日々はそうそうつづかなくて、やがて、魔族が街を荒らし始めた。
最初のうちは、魔族討伐に精を出していたぼくだけど、絶対にかなわない相手――、魔王を前にして、ぼくはただ震えるしかなかった。
その時は上手く逃げおおせたけれど、今度は城ごと襲われて。ぼくは、結界を張ってもらった部屋に、ひとり引きこもった。
そうして気がつけば、城ごと部屋も壊されて、ぼくは戦う前に裏切られて、その人生を終えていたのだった。
だから、もう逃げない。
今度こそ、愛する家族を守るって決めたから。
わがままな駄女神だけど、今は大切なぼくのお姉さん。だから、ちょっとくらいお高いアイスだって、きちんと食べさせてあげたいんだ。
「ただいまっ!! お母さん、お願いがあるんだけど――」
そうしてみんなが笑っている世界を見たいんだ。
つづく
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