第14話 リサイクル店店員の憂鬱その4

私の名前はひいらぎ。邪悪な霊に体を乗っ取られた、普通のリサイクル店店員である。


先日は本当にヒドい目にあった。

勤務時間を終え帰宅しようとしたところ、店内にタムロしていた悪霊組長(ゴードラちゃん)たちに捕獲され、トラックに乗せられ遥々はるばる喜多方まで拉致連行。


食堂の椅子に着席させられた上で「ラーメン喰いたいから体を乗っ取らせろ」と、こうだ。

もうね、アホかと。馬鹿かと。

「借金で首がまわらない柊ちゃんは食費が浮いてWIN、ラーメン食べたい私もWIN」などと意味不明の戯れ言をホザき出す。

そこでまたぶち切れですよ。

あのな、WINWINなんてきょうび流行んねーんスよ、組長!

私の借金はラーメン代浮かす程度でどうにかなるシロモノじゃあねえんスよ組長!

刺すか刺されるか、あの悪徳社長ンとこカチコんで証文抹殺するしかねえんスよ!

得意げな顔して何が、ギブアンドテイクで、だ。

…私の記憶はそこで途絶えている。

カラダを乗っ取られ、そして…

…意識が戻る。

食堂のテーブルに突っ伏し、目から鼻から汁を垂れ流し、腹を膨らませた私の体に。


な…何をするだァーッ!

てめえらの血はなに色だーっ!!


意識の無い間何があったのか?

どうやら私は、ラリった表情でハナ水を垂らし、泣きながら「ンマーイ!」と叫びつつラーメンを激しくススっていた模様。

しかも、何者かによりその様子が動画サイトに投稿されており、結論から言うと私は社会的に死んだ。

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