不運だけど「不幸」じゃない。これは、妖狐の青年が大切な人と出会う物語

キツネの耳と尻尾をもつ妖狐の氷室(ひむろ)は、魔法具職人として仕事をしていましたが、始まりからいきなり職を失ってしまいます。
それというのも、氷室が取引をしていた相手は闇の組織。世界が平和になるにつれて弱体化してしまい、そのままクビになってしまったのです。

職探しのために別の国に渡った氷室。そこで色々あって出会ったのは、なんと国王陛下(グリフォン)でした。
闇組織嫌いとして有名なこのギルヴェール国王陛下。バレたら大変と氷室は逃亡を図りますが、あっさりと失敗。
しかし待っていたのは……まさかの厚待遇(溺愛)!?


キャッチコピーにもあるように、不運属性の氷室を、兄貴気質なギルヴェール国王が優しく包み込んでくれる物語です。

最初はツンツンしていたものの、真っ直ぐに好意を伝えてくれるギルヴェール国王に満更でもないのか、尻尾や耳で好意が溢れてしまう氷室。
その様子は微笑ましくて、読んでいてこちらもニコニコしてしまいます。

しかし過去のトラウマから、氷室は素直にギルヴェール国王の好意を受け入れられません。
しかし彼の優しさや抱えているものに気づき、「自分も国王のために何かしてあげたい」と思うことで、氷室も次第に強くなっていきます。
その様子は健気で、つい応援したくなってしまいます!

また、氷室の養父を始め、彼の周囲には彼を愛してくれる人々がたくさんいます。そんな人たちに可愛がられている氷室は、見ているこちらも幸せになりますよ。

心暖かくなれるBL作品です。
寒い日々のお供にもオススメですよ!

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