【石のやっさん旧作】僕の瞳は腐っている 究極の2次元美少女奴隷と暮らす甘くて素敵な毎日…だけど変な目で見られるのは何故だ!

石のやっさん

第1話 追放

パーティーリーダーであり、勇者のジョブを持つガイアに告げられた。


「悪いが今日でクビだ、異世界転生者なのに役立たずなお前が悪いんだ」


「ああ、今迄ありがとう」


 ガイアとは幼なじみだ。


小さい頃から一緒の村で育った。


僕はいわゆる転生者で生まれてから僅かな間に言葉を喋れるようになり、昔の記憶もしっかり持っていた。


前世の僕は半分オタクに足を突っ込んだ人間だった。


家族が居るからグッズやフィギュアには手を出さなかったけど、漫画やライトノベルは山ほど持っていた。


此の世界ではごく稀に僕の様に前世の記憶持ちが稀に生まれる。


そして、そういう人間の多くは優れた存在が多い。


ガイアは僕に目をつけ仲間に誘った。


だが、僕にはどうやら『ガイアの思っていた様な能力が無かった』



 「今迄ずっと仲間で支え合いながらやっとここまで来た」僕はそうは思っていない。


 そんな風に思っているのは、お前達の方だけだ。


 剣聖のランゼ


 聖女のマリー


 賢者のミルダ


 五人揃ってSランクパーティー『ホーリー』そう呼ばれていた。


やや中二病な名前だがまぁガイアは勇者だし、剣聖や、聖女、賢者まで居るから可笑しくないな..


確かに最近の僕は取り残されていた。


僕のジョブは『ソードマスター(侍)』


珍しいジョブで強いジョブだが、四職じゃない。


しかも剣聖からしたら下位交換だ。


ジョブの差で成長した3人に能力が追いついていないのは事実だ仕方ない。


別にクビになっても良いと思っていた。


だってそうだろう? 腐ってもSランクパーティーのメンバーなんだぜ、僕も。


此処を出れば、幾らでも次がある。


こいつ等が凄いだけでAランクまで落とせば恐らく引くてあまただ。


その位の価値は僕にはあるんだよ。




「ついて来れないのは分かっているだろ聖夜」


「そうだな、確かにソードマスターの僕じゃ皆について行くのは...難しいね」


一応こう言って置いた方が良いだろう。


顔を立てておいた方が何かと良い。



ガイアの狙いは解っているさ、このパーティをハーレム状態にしたいんだろう。



「勇者とし大きく飛躍するには大きな手柄が必要なんだ。残念ながらお前とじゃ無理なんだ。なぁ分かってくれよ、パーティーを抜けてもお前が親友なのは変わりないからな。」


リーダーが言うなら仕方ないな。.


他の奴はどうなんだ。



幼馴染のミルダの目を見た、彼女ももう昔の優しい目をして居ないしガイアの女になっているのも知っている。



「私もガイアの意見に賛成だわ!貴方はもうこのパーティについてこれないじゃない。きっと近いうちに死ぬか大怪我をするわ..さっさと辞めた方が良いわね...これは貴方の事を思って言っているのよ」


「ガイア...そうだよな...ありがとう!」


まぁ、そう言うだろうな!ガイアの女なんだから。


ふと、ミルダの左手に目が行く。


薬指には見覚えのない指輪があった、これは多分ガイアが買い与えた物だろう。


他の2人も同じ指輪をはめていた。


ハーレムパーティに僕は要らないな。


そう言う事だ、一応確認はしておくか?




「まぁ、ガイアは良い奴だ、皆幸せになれよ!」


「「「し..知っていたの?」」」


「ガイアは勇者だ...他の男なら腹がたつが、ガイアなら諦めもつく」


「「「ごめんなさい!」」」


「気にするな」


元からこうしたいなら仲間になんかするなよ。


「大人しく村に帰って田舎冒険者にでもなるか、別の弱いパーティでも探すんだな」


「そうだな、色々考えてみるよ」


親友だと思っていたのにな...


ガイアは勝ち誇った顔で僕を見ている。


悪い奴じゃない…親友だ、だけど此奴女が絡むと、昔から優越感に浸りたくなるんだな。


何をしても優秀で、顔も良くて、強くて、おまけに勇者に選ばれた。


そんなお前が、僕は自慢だったんだ。


少しでもお前達の役に立ちたくて…手伝ってやっただけだ。


お前のパーティに居なければ、多分恋人だって出来た筈だ。


勇者パーティは旅から旅…しかも幼馴染の3人はお前が好きなんだから、僕が楽しいと思うの?


僕にはガイアが一番の親友だから此処に居ただけだ。


本音で言えよ。


もう要らないんだって。


「「「「さようなら」」」」



 4人の幼なじみが一斉にお別れの言葉を言ってくる...思ったより堪えるなこれ..



「じゃぁな!」


「すまないな聖夜」


「気にするな!今度会った時は笑って話そうな...世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ!」


「それじゃ、パーティから抜けてくれるんだな!ちゃんと退団金は出すし、装備もそのままやるよ」


「ありがとう。お前達は頑張れよ、僕は自分がやれそうな事を探すよ」


これで良い…だが何でだろうか胸に穴が空いたように虚しく。


目から涙がこぼれて来た。

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