第6話


新しい季節の始まりにキミは言う


「ああ、また一つ終わりに近づいた」と。


その声があまりにも淡白で

なんの感情も入っていないものだから

それがきっと真実なのだろうと知る


キミは一体それに何を思うのだろう

知らない僕は何も言えなくて


ねえ、何が終わるの?

終わることにキミは何を思うの?

言えなかった言葉たちを吞み込んで

僕は知らんぷりして笑う


確信している何かの終わりが

キミにとって何かの始まりであることを

臆病な僕は願うことしかできない


きっとそんなことなくて

終わりは終わりでしかないと

キミが思っていることも

心のどこかで分かってはいるけれど。

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