《第一部》第3章 大森千晴

第1話  ファーストキスを奪われ、性に目覚めていく

 お兄ちゃんの友だちの梅田さんから、「好きだ」と言われてあたしは舞い上がっていた。

「千晴ちゃんはかわいいね、セーラー服がよく似合ってるよ」と言って、あたしは後ろから抱きすくめられた。あたしの胸の下の辺りで両手を組んで、時折押し上げるようにしていた。前から梅田さんには好意を抱いていて、そうされるのは嫌ではなかった。ただ、どうして良いのか分からず、立ちすくんでいた。お尻の辺りに堅い物が当たっていて、それは腰骨でない事が分かってドキドキした。

 梅田さんの組んでいた手が解け、あたしのセーラー服の裾から中に入ってきた。スポーツブラの上からおっぱいに触り、髪の毛に顔を埋めて、

「千晴ちゃんの胸は柔らかくて気持ちが良い!触られて、どんな気持ち?」と訊かれたが、言葉が口から出て来なかった。でも、男の人の大きな手で触られ、気持ちが良いのとくすぐったい気持ちとが五分五分で何とも言いようがなかった。


 大森千晴ちはる聖ヶ丘ひじりがおか中学の1年生で、父親と大学1年生の兄晴幸はるゆきと3人でアパートに暮らしていた。父親は長距離トラックの運転手で留守にする事が多く、兄もコンビニのアルバイトが忙しく、千晴はほとんどの時間を一人で過ごしていた。兄が時々連れて来る友だちと遊ぶのが、千晴の楽しみの一つだった。中でも、背は低いが端正な顔立ちをしている梅田光喜みつきが、やさしくて千晴は好きだった。

 2学期の中間試験を終えて帰宅した千晴が、部屋でくつろいでいる所へ梅田が一人で訪ねて来た。兄はいないと言ったが、承知しているとばかりに上がり込んだ。


 6歳も下の千晴ちゃんに一目ぼれをしていた俺は、彼女に人並み以上のやさしさで接していた。彼女は大きな瞳でセミロングの髪が良く似合う女の子で、身長は150cmもなく小柄だが、バストだけは発達してロリコン趣味の俺の好みにマッチしていた。セーラー服の中の胸は思った通り、手に余るくらいの大きさで柔らかく、またその弾力がたまらなかった。そして、千晴ちゃんをその場に押し倒してキスをした。彼女は驚いてはいたが、抵抗する気配はなかった。「キスは初めてだよね」と言うと、彼女は大きな目をむいて恥ずかしがっていた。キスはやさしく口をついばむ程度にし、初めての彼女を怖がらせないように控え目に済ました。


 梅田は千晴をどうにかしたいと常々思っており、機会を伺っていた。千晴が自分に好意を抱いている事を承知の上で、また嫌がらないのを良い事に、中学生の彼女の胸を触ったりキスをしたりして欲望を満たした。その日はそれ以上の事を求めず、次回に会う約束をして帰って行った。


 まさか大好きな梅田さんと、キスするとは思いもしなかった。おっぱいに触られるのもキスされるのも初めてで、あたしは未知の領域に踏み込んだ。この先に何があるのかという不安と同時に、好奇心をかき立てられたのも事実だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る