優しさの天秤がここにある。

企画からふらりとやってきたのですが、とても暖かい気持ちになれる作品に出会うことができて僥倖でした。
AIが搭載された人間型ロボットが人の生活に密接に関わっている未来の世界で、主人公は転校してきた可愛らしい少女とゆっくりと友情を育んでいきます。
主人公は感情が無いと自己分析していましたが、それを変えたのが感情が生まれたAI――転校生の少女というのがとてもよかったです。
作品における彼の成長を見るに、なんとなく主人公は本当はとても情に深く、傷つきやすいがために自己防衛本能から出来うる限り感情を抑えた結果大きく感情が動かない≒感情が無い風になってしまっていたのかなとも感じました。
趣味で続けていた小説が彼女との関りを深め、他者との関りを深め、世に一石を投じる作品として評価される。そうしてまた離れてしまった彼女と出会うきっかけに繋がる流れがとても美しかったです。
じんわりと暖かい気持ちになれる作品なので、是非ご一読頂ければと思います。