8月17日
8月17日、今日は登校日だから、僕はプールでもオオバさんの家でもなく教室にいた。登校日と言っても別に授業をするわけではなくて、生徒達の宿題の進み具合を先生が確認したり今日までの夏休みをどのように過ごしていたかを別室で確認するだけの日だ。
僕は宿題の進み具合が悪いわけではないが、やはりオオバさんとの事については正直に言うわけにはいかず、どうしたものかと考えている内に頭の中にはオオバさんのあらゆる姿が浮かび、その姿があまりにも扇情的で僕を快楽へと誘おうとしているように見えて、他の生徒達もいる中だというのに、僕は興奮していてどうにかなりそうだった。
その昂りをどうにか抑えながら僕は軽く周囲を見回す。一人ずつ呼ばれていて、全員が終わってから帰れるので教室には多くの生徒がおり、女子達があのプールの話や新調した水着の話、ちょっとした恋話に花を咲かせている中、男子達は相手が日焼けしている姿についてからかったり日焼けも込みで女子達の夏服姿がエロいだのと話したりしており、その姿を見ながら僕はそれよりも良い思いをしてきたのだと思いながら軽く鼻で笑っていた。
また調子に乗っているのはわかっているが、あのクラスメート達はオオバさんのように年齢を重ねた事で熟したムチムチとした女性の肉体の味を知らないのだと思って少し憐れに思っていた。
たしかに同級生達の張りのある瑞々しい肉体を遠慮なく味わえたらそれはそれで天にも昇るような想いだと思う。だけど、オオバさんの肉体はそれ以上の快楽を僕にもたらし、何度も何度も僕はオオバさんの熟練されたあの動きや技術で果ててきたのだ。それに比べたら、同級生達はあまりにも子供っぽいと言える。
「はあ……早く会いたいな」
そんな事を呟いていた時、遂に僕の番になり、僕は別室へ移動して先生の目の前に座る。宿題の進み具合や夏休みの様子なども問題なく話していたが、話を終えた後、先生は少し心配そうな表情を浮かべた。
「……なあ、夏野。お前が見知らぬ女の人と歩いてるのを見たっていう奴がいたんだけど、それって本当か?」
「え……」
驚いた。まさか先生の口からそんな言葉が出るとは思わず僕は声をあげて驚いてしまった。しかし、オオバさんの事を話すわけにはいかず、首を横に振ると、先生は少し安心したように息をついた。
「そうだよな……夏野は結構真面目だし、そういうのは気を付けるからな」
「それはもちろんです。因みに、誰がそんな事を言っていたんですか?」
「若宮だよ。数日前に宿題の事で話に来て、その時に夏野がこの辺りじゃ見かけない人と歩いてたって言っててな」
「……そうですか」
「まあ、これからも気を付けるようにな?」
「はい……」
先生の言葉に答えて部屋を出た後、教室に戻るために廊下を歩いていたが、僕は怒りでいっぱいだった。若宮さんはどこまで邪魔をするのだろう。今日もオオバさんのところには行くが、近い内に僕に関わらないように一言言うべきだと感じた。
「……子供っぽい事しやがって」
この日から僕の中で若宮さんはクラスメート兼水泳部の仲間から憎むべき女へと変わっていた。
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