結果がすべて? その結果って、何?

 世の中、結果がすべて。

 どれほどの努力しようとも、結果が伴わなければ何の意味もない。


 例えば、100メートル走。

 一着でなければ、2位以下などすべて意味なし!

 名誉も何も得られない。

 一等賞を勝ち取るためにはどんな手段でも講じてやろう。

 結果が伴わなければ、どれほどのきれいごとを並べようとも、血を吐くような努力しても、すべて意味がなくなる。


 じゃあ、そのあとは?


 その先にいったい、何が待つというのか。


 結果など、終わればすぐに経過になる。

 ゴールテープを切ってもそこで終わりではなく、そこからまた道は続ていきます。そのテープを切った瞬間からそれは過去のことになり、その先にまだまだ気が遠くなるほどの道が続いているのです。そこにいったい何が待つのか。結果一つを得るために蹴落としてきた人たちだって、すぐにあなたに追いついてくるでしょう。結果はすぐに誰かに抜かれ、記録からも記憶からも消えてしまう。でも、残してきた経過は決して消えません。


 人は一人では決して生きていけません。

 たとえ自給自足の生活でも、何らかの形で必ず人とつながり、助けがいります。

 敵か、味方か。

 自分を助けてくれる人だけがあればいいと都合よく考えても、相手もあなたのことを見ています。今は自分に悪意向いてこないが、いつかこいつは……。損得勘定、打算尽くめで敵と味方に分けるなら、こちらもそれとするだけ。おまえが窮地に陥ったところで、こちらが巻き込まれる可能性あるのに手など差し伸べてやれるものか。


 ざまあみろ。


 吐き捨てられて、終わりでしょう。


 自己責任。

 それも凶悪な言葉です。

 自分一人があり、誰も助けない、誰からも助けてもらえない。

 言い換えれば、独りぼっち。


 結果など、言い換えればすべて過程に過ぎない。

 結果がすべてというけれど、じゃあ結果って、いったい何だろう?

 結果ばかりを求めて過程を求めず、結果、気付けば一人だけ。

 何なんだ、これは。


 考えただけで背筋が寒くなる。


 少なくとも私は、そんな人生まっぴらごめんです。

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