第6話 村長と森にお散歩だじょおお



「肉ううう!」



「ぐぎょ!?」



少年は猪突猛進にゴブリンにナイフの刃を向けて突進していく。

仮に1人でゴブリンと遭遇したとしてもこんな短絡的に行動を起こす少年ではない。

村長という強い大人がいて自分は保護下にあるというのを理解した上での行動だ。


「ちっ、チビにはもっときつく教えないとな………」


それを村長も理解はしているが、満身や短絡的な部分は弱点にしかなり得ない。

一撃で終わらなければ敵に攻撃されてしまうのは目に見えている。

なので村長はゴブリンとの戦いが終わったらキツく【ありがたいお話】をすることを決めたのだった。



「にぐだじょおおお!」


「ぐ………ぎょ。」


しかし村長の心配は杞憂に終わり少年の一撃が心臓に当たったのか一撃必殺の攻撃になった。




「倒しだじょおおお!!」


そして倒したゴブリンは少年の天恵の効果でアイテムに変化する。


変化したアイテムはゴブリンが着けてたような

【腰蓑(こしみの)】に変化したのだった。




「おおお!!!フリフリだじょお!フリフリだじょお!!」



少年は腰簑を持つと上下に振って遊んでいる。腰簑がどう使うのかが分かってないようだった。


先程倒したゴブリンに着けていた腰簑に似てるとは微塵も思いついてないようだ。


「………それは【ゴブリンの腰簑】だな。だけど使ってる痕跡がない。


………ゴブリンが腰簑に変化した?」





村長は数少ない天恵持ちで【鑑定】のスキルを持っている。

その村長が鑑定した結果なんの変哲もない未使用のゴブリンの腰簑だということが分かった。



「んー………よし。チビ?もう一度ゴブリンを探して倒してみようぜ?」




「倒して肉だじょおお!!」



それからゴブリンに遭遇して少年は倒していく。

最初のように突進するような事はせず、キチンと間合いを見ながら討伐していった。



ゴブリンを倒して手に入れたアイテムは

【ゴブリンの腰簑】×8

【ゴブリンの棍棒】×2


少年と村長は10回ものゴブリンとの戦闘を行ったのだった。



「んー………腰簑もバラせば稲や麦よりも立派な藁にはなるし、棍棒もそのままでも使えないこともないが………チビの持ってるナイフと比べると数段見劣りするよな?」



「ううー………肉がでないじょおお。」



「いや、ゴブリンから肉でても困るだろ?


そうなったらゴブリン肉だぜ?」



まだ10回しか検証してないがお目当ての【殺傷強化のナイフ】はもう出てこないか、そう簡単には出てこないと村長は結論づけた。



「よし、違うモンスターも倒してみようぜ?」




それから二人は森を探索すると少年は初めてお目にかかるモンスターに遭遇したのであった。

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